2009年5月22日金曜日

英雄査問委員会

二日続けてVIXが下がり、一昨日イメージしたじりの貧相場が早くも到来するかと思ったら、今日は全く別の様相だった。まず英国国債に格下げの話があり、その連想で米国債にも影響がでた。そもそも既に米国が国家として破産の危機にあるという話は大勢が紹介している。だがそこは米国、格下げを担当する格付け会社が米国の会社である以上は米国が格下げされる事はないとみられていた。しかし兄弟の様な英国債に格下げの噂が出た事で今日は米国市場も大幅に下落した。だが落ち着いて考えてみるとやはり米国が格下げになる可能性は限りなく低い。よって今日の騒ぎは実はVIXがこのまま下落しては儲けのチャンスが低減してしまう市場参加者による自作自演の騒ぎと考えていいだろう。

ところで今日は議会で歴史的な動きがあった。それは危機が一服した今、上院では今回の危機を精査するための特別委員会の編成が決まったのだ。前回この委員会が編成されたのは9/11のテロを受けた直後。それからしてもこれがいかに重大な意味を持つかが判る。これまで米国は緊急対応に追われ、政府と議会は危機の背景を精査する時間はなかった。今やっとその余裕が出たわけだが、逆に言うとこれから余裕を失う人々が出るという事だ。例えばグリーンスパン。また過去の銀行経営者はこれから社会的制裁の本番が待っている。そんな中でCNBCは来年が最初の任期切れ(満6年)となるバーナンケが仮に再選されない場合次はサマーズとの気の早い噂を紹介していた。

またこの上院の動きとは別に、下院ではあのロンポールがFEDも銀行である以上は監査があってしかるべきと、言われてみると納得する法案を提出。既に共和党を中心に120人の議員の署名が集まっている事が紹介された。要するに今はヒーローのバーナンケでさえ来年はどうなるか判らない、米国にもそんな風が吹き始めたのと考えるべきだろう。


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