2009年5月30日土曜日

ダウ興亡史

予定通りGMがチャプター11(倒産法適用)になると、GMはダウ採用銘柄から外される。そして代替の候補として今名前が出ているのは金融のゴールドマンサックス、ウェルズファーゴ。またハイテクからシスコ アップル オラクル グーグル、そしてアグリからのモンサントだ。

そもそもダウには工業30種という括りがあった。そしてダウのインデックスには他にUTILITY(公共事業1929年)とTRANSPORTAION(鉄道・輸送1884年)の兄弟がいる。古さからいえば工業30種よりもTRANSPORTAIONの方が古い事が興味深いが、これも米国の産業史を眺めれば納得できる。ただここで気付くべき事がある。今はダウは工業30種がその代表になったが、ではなぜ工業種に金融が入っているのかである。

「工業」は日本語であり英語表現のINDUSTRIALに金融は含まれると考えることもできるが、わざわざUTILITYとTRANSPORTAIONを分けた事を考えると不自然だ。また実際に発足から永らく金融は30種に入らなかった。この30種がそこまで工業に拘るならなぜ最初から金融のインデックスを作らなかったのか。当時は既にJPモルガンは存在し金融はそれなりの役割を担っていたはずだ。

このダウジョーンズのインデックス構成をみると、現在共和党保守派が主張する様に当時の米国は金融に支配されてた国ではなかった可能性が感じられる。因みに金融がダウ工業30に入ってくるのは1980年代から。添付したWEBで調べるとアメリカンエクスプレスが82年にやっと顔を出す。

そしてこの事に気付くと、この混乱の後歴史的観点では米国がどこに向かうのか、また民主主義国家としての民意の磁力がどこにうまれるのか。金融市場で生業を立てる我々が今後の米国をイメージする参考になろう。いずれにしてもGSが仮にダウ工業に入るなら、それは逆説的な転換点となると感じている。

https://www.globalfinancialdata.com/articles/dow_jones.html


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