2009年5月27日水曜日

核廃絶、平和声明の裏側

あのブッシュ大統領が中東のど真ん中に民主主義国家を打ち立てるとのイラク戦争の(二次的)大義名分を発表した時、大半の人はその実現性はないと感じていたはずだ。だが結局はこのバカげた目標のために大勢の人が死んだ。そして今度はオバマが核兵器廃絶を目指して声明を発表した。恐らくこの声明にも大半は実現性を感じていない。だがソレが米国の大統領という特殊な立場の人の発言である事をまだまだ無視していはならない。

今の金融市場では「米国の格下げ」や「米国売り」がトップニュースだ。だが現実にはグローバルポリティカルマクロ(市場原理が後退し、今の実体経済は各国政府の動向が鍵を握る状態)が金融市場を支配している。そんな中で再び北朝鮮が挑発に出た。これまでも北朝鮮は米国が自国の問題で手詰まり感がある時にこの様な行動を起こした。今回も「米国売り」ムードを逆手にとったいつもの揺さぶりか。だとしたら米国はいつもの様に苛立つ日本をしり目にノラリクラリをするだけだろう。だが仮に最早金正日体制が盤石ではなく、一部で噂になっている後継者を巡り混乱が生じている話が事実なら要注意だ。なぜなら権威が落ちたとはいえ米国は北朝鮮までがパキスタンの様に無政府に近い危険な状態で核を持つ事を容認するとは思えない。

要するにオバマの一見平和を目指した声明の延長上には米国は必要とあらば「相応しくない核保有国」を攻撃する大義名分を実は内胞している事を指摘したい。無論ブッシュとオバマはどう見ても水と油。また今のオバマの平和的な雰囲気からは想像できないだろう。だがそもそも米国の大統領声明とはそういうものだ。その時がくれば、クリントン政権が思い留まった空爆をオバマが決断しても何らおかしくはない。今の状況では今度は実行に移す可能性を十分感じてる。(なお今議会は民主党が完全支配しているが、元々民主党議員たちはイラクよりもイランや北朝鮮への実力行使を主張している)



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