米国で「CASH FOR CLUNK」のキャッチフレーズで始まった政府による新車購入補助制度はついにロシアでも始まったという。一早く同様のプログラムを組んだ欧州の先進国ではGDPがプラスになり、アジアでも中国はもとより韓国や日本などの追随組も着実に効果が現れた。その意味では米国やロシアは一番最後に参入した事になるが、逆に言うとこの2大国はなぜもっと早くやらなかったのか。恐らくこの2国では政府は応急処置に追われ、そこまでの余裕がなかったのだろう。
そんな中で消費者の懐が痛んだままのは今日発表された小売の指標でも明確になった。「住宅」という「打ち出の小づち」を失った消費者のわずかな資金はこの制度によって車に向かった。しかしその煽りを受けて他の小売は惨憺たる結果となったのである。ただ何とかこのままの車の販売の好調が続けば、米国でも第三四半期のGDPを劇的に改善すると言われている。ところが最新の情報では「CASH FOR CLUNK の息切れ現象」も一部で散見され始めた。 (シカゴのロカールニュースから) 。
そしてその原因は二つ考えられる。一つはポンコツ車の数に限りがある事。そして二つ目は、新車購入に最低限必要なクレジット(信用力)の保有者は既に買ってしまった可能性がある事。要するに、国民が貯金をせずに借金で消費をしまくった米国ではこんな時にも民間には最低限必要な貯えがないのである。ならば他国に続いて米国がこの補助制度で景気を浮上させるためには危機以前のようにクレジットの上限をデタラメな水準まで下げる必要がある。この国がソレをするかどうか、見ものである・・。
さて、この様な「大失敗の後」の光景は他にもある。まず大損失の直後にどう対応するか。トレーダーの真価が問われるのはそこから。精神的に追い込まれ、無理をして更に失敗を積み重ねた経験は誰にでもあるだろう。そんな中でゴルフでも全英で予選落ちしたタイガーは満を持して今日からの全米プロに臨んでいるはずだ。だがゴルフも相場と同じ。メンタルな部分がどう影響するか。それが全てと言っても過言ではない。
その意味では今回のタイガーを見るのは通常のメジャーとはまた違った意味で興味深い。期待の石川はこのタイガーの精神のマネジメントと、愛妻の癌という重荷を背負うミケルソンがどんな戦いを見せるか、それをぜひ心に刻んでほしい。そして初日タイガーはトップ (3時現在) 。このまま圧勝すれば彼の価値は更に新次元に到達する。
ところで本日IOCはシカゴと東京が立候補している2016年の夏季五輪から「ゴルフとラグビー」を新たに正式種目に加える事を粗確定したとの一報が入った(ESPN)。そしてタイガーは「自分が選ばれたら出場したい」と表明した。この一言で決まりだ。IOCの選考委員もタイガーウッズがオリンピックに出る姿を見たいはずである・・。
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