2009年8月25日火曜日

捻じれたタスキ

週末、こちらの日本語テレビでもNHKの日曜討論をそのまま放送していた。投票まで一週間を切る中、そこでは各党首が今後の日本をどうするかを議論していた。

まず良くも悪くも戦後の日本は戦争をひたすら反省し、米国の傘下で経済成長を実現する以外は何も考えなくてもよかった。だがここに至り、再び自分で国家としての生き方を考える必要性が生まれた。その意味では金融危機は有意義だった。だが無論答えは簡単ではない。党首の話も全て一長一短である。そんな中で個人的には一番大切だと考えるヒントが野村総研シニアフェローの関志雄氏が2002年に出したレポートの中にある。

関氏は国家政策はその国家が性善説、性悪説のどちらを前提にしているのかを認識し、その方向性に合った社会と経済のシステムを構築するのが望ましいと述べている。即ち性悪説の米国では市場原理が有効だった。ただだからといって性善説の日本がソレを真似てもいずれ無理が来ると彼は当時既に指摘していた。結果はその通りになった。

そして今の米国が醜いのは性悪説の米国にオバマ政権は「救済主義」を持ち込んでしまった事。これをすると失敗者が救われる一方で救済そのものは同等にならない。その意味では日本もタスキをかけ違えたかもしれないが、実は今の米国も本来の姿からはタスキが捻じれたままだ。だが米国人でもこのねじれ現象を危機感として訴えると、今は市場関係者からは陰湿者扱いされる。

まあこの国の行く末はどうでもよい。日本はまずその価値観をどこに据えるか、それを確立するのが選挙後の課題となる・・。


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