2009年11月5日木曜日

N.Y.の「赤旗」

思ったより僅差ながらブルーンバーグ市長が再選、一方でコーザインが敗北した選挙の当日、NY TIMESには面白い記事があった。記事はゴア氏と彼の環境関連ビジネスについて紹介した内容だった。そして興味を引かれたのはその切り口。ズバリ、これまで選挙ではゴア氏本人を応援し、またリベラルとしての総本山であった同紙は、リベラルから更に一歩左に寄った印象である。言い換えると、共産党の機関紙の「赤旗」まではいかないものの、通常のビジネスであっも利権の匂いするものに対しての嫌悪感を出した切り口になっていた。

そのゴア氏のビジネスを簡単に紹介すると、まず公人だった彼が副大統領を止めた時の総資産は2億円弱。それが今は史上初の「CARBON BILLIONAIRE」の誕生と揶揄されるまでに膨張している。知らなかったがゴア氏は選挙に敗れてからアップルやGOOGLEのアドバイザーを務めながら同社株で大儲けしたとされ、その資金に映画や本からの収益を加わえ(尚講演会は一回1000万円との事)、近年はプライベートエクイティーとして数々の環境関連の会社に出資する一方でGS出身のデイビットブラッド氏と組んで英国に資産運用会社まで起こしていた。そして今回記事で批判的に扱われたのは彼が出資した環境関連会社がオバマ政権から500億円のビジネスの発注を受けた事である。

この様にゴア氏は各国が環境に取り組むと何らかの形でその恩恵を預かる体制を既に確立したと言わる程先を走っている。そしてそれは彼がこの課題に30年前から取り組んだ結果であり、その成功はバフェットのモデルと同じと考える事も出来る。ただNY TIMESがゴア氏を批判する共和党下院議員コメントをそのまま引用するのは、過去の立場を活かしたゴア氏の今のビジネスモデルを「逆境におかれた今の読者」がどう受けとめるかというトレンドを読んでの判断だろう。そう、NYTIMESの論調に変化があるならそれは読者側の変化に合わせていると考るべき。そしてそれは今回の選挙結果にも反映されていた。ただ選挙結果は彼らが共和党の原理原則主義に賛同した事を意味するわけではない。彼はら現状への不満をぶちまけたのだ。

他州のことながら個人的にはコーザインの主張は正しいと感じる。だが当事者は受け入れらなかった。ズバリ、これは「中間層がこの国からいなくなった証拠」である。米国はブッシュ時代に意図的に格差を造った。そして調子に乗り過ぎた金融が崩壊し世界が窮地落ちると今度は罪の擦り合いが始まった。民主党と現政権はブッシュ時代の行き過ぎた規制緩和に原因があると主張、一方の共和党はグラスステイーガル法を廃案にしたのは誰かとやり返す始末。(同法が廃案になったのはクリントン政権下)
そして政治が低レベルを演じる一方庶民は不満をぶちまけるだけなら、最後の解決策は政党政治ではない。それは国民を黙らせる国家としての脅威。つまり戦争である。

ところでこの様な滑稽な政治模様の本質には全く無関心に、中央銀行によって新規で生み出された膨大な流動性を運用する市場参加者は、「お友達」になり下がったFEBを材料にニューマネーーゲームを行う宿命にある。ただ中間層を失った民主主義がいかに乱暴な結果を生むか。それは最後は金融市場に必ず跳ねかえるであろう・・。




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