2009年11月3日火曜日

庶民の変質

ところで明日はNY市長選とバージニアとニュージャージーの州知事選挙などが一斉に行われる。そして趨勢が決しているNY市長選とバージニアの州知事選はともかく、注目はニュージャージーである。同州の現職はゴールマンから政治の世界に打って出たコーザイン氏。彼はGSを辞めてからまず上院選に勝利し後に州知事に鞍替えした。その後10年以上政治家としてのコーザイン氏をシカゴから眺めてきた。彼は民主党が低迷したイラク戦争前後も積極的にMEET THE PRESS(政治討論番組) などに出ては民主党を支え、そして大統領選挙では当初ヒラリーについた。だが比較的早い時期にオバマに乗り換えた。今はオバマ個人にとっては重要なサポーターである事は間違いない。その彼が苦戦を強いられている事は知らなかった。だが接戦を受け、オバマ自身3回も応援演説に駆け付けている。それはそうだろう、一方のバージニアの州知事選では共和党が優勢の中で、万が一にもニュージャージーでコーザイン氏まで敗北するような事態はオバマ陣営も絶対に避けなければならないのである・・。

しかしコーザイン氏はなぜそこまでの苦戦を強いられているのだろう。彼には民主党の有力な州知事だった前イリノイ州知事のブラゴヤビッチの様な悪評はなかったはず。にもかかわらず、民主党の地盤である同州で起きている変化は何だ。そこで思い出すのは雑誌のローリングストーン誌が春に行った反ゴールドマンキャンペーンだ。ホーボーケン辺りにはこの雑誌の影響を受けそうな若者が大勢いるのは確かだが、ウォール街出身でそれもゴールドマン出身である過去が今回は彼のイメージを下げているのだろうか。仮にそうなら気の毒だ。なぜなら彼が会長の頃までのゴールドマンには同紙が吸血蜘蛛に揶揄したイメージはなかった。だが人間の感情の変質は恐ろしい。そもそも2004年にあれほどの大敗北を喫した民主党が僅か2年で大躍進した事もさることながら、昨日は全く別の次元でも「庶民の変質」を実感した。それは昨日、ランボーフィールドに戻ったBファーブに対するがパッカーズファンのブーイングである。(ランボーフィールドはNFLの名門、グリーンベイパッカーズの本拠地)

そもそも熱狂的な全米のフットボールファンの中でもこれまでグリーンベイファンのパッカーズに対するロイヤリティー(忠誠心)は別格と言われてきた。そして日本のプロ野球ファンにとっての長嶋、或いはシカゴ人にとってのマイケルジョーダンに匹敵したのがグリーンベイのファンにとってのブレッドファーブだった。 ところが昨日同地区のライバル、ミネソタバイキングスのQBとして彼が再びランボーフィールドに立つと、迎えたグリーンベイの人々はファーブに対して拍手どころかブーイングだけを浴びせた。そこには試合に負けた感情だけではない一般市民の変質の恐ろしさ見た気がした・・。





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