2010年3月19日金曜日

VALUE RESET(価値の再生)

北朝鮮でデノミを断行した責任者がその失敗の責任を取らされて銃殺になったというニュースが流れている。事実なら現代人の感覚からは信じられない話だ。国政に反旗を翻したならともかく、良かれと思ったデノミの失敗で銃殺。だがこれを北朝鮮だけの現象と捉えるのはどうか。歴史では人間は民主化が進んだあとでも独裁体制に自らの意思で戻った例がある。また民衆の怒りは恐ろしいものだ。フランス革命ではルイ16世がギロチンになっただけでなく、革命を主導したロベスピエールやダルトンが次々に民衆の餌食としてギロチンになった。

また英国発展の起点としてここで何度も紹介するヘンリー8世の側近トーマスクロムウェルは、結果的に英国がローマ教皇による支配を断ち切る事に繋がったバチカン傘下の教会の資産没収などの責任者として残酷な最後を迎えた。(ギロチンの無い英国での断頭処刑は斧を振り下ろす執行者の腕次第。だが敵の多かったクロムウェルは処刑の前日に政敵によって二日酔いにさせられた執行者によって無残な殺され方をしたとされる) 

要するに、彼等は正しくとも、また国を発展させた立役者でも民衆の怒りの矛先として死んだ。そんな中で昨日MSNBCにマイケルムーアが出演。前日のクリスドットの金融改革法案は改革になっていないと憤慨していた。そして最新作「資本主義」で一旦映画製作を休止すると宣言していた彼は興味深い発言をした。「1%の人間が95%の金融資産を握るこの国でも、選挙では金持ちも貧乏も1票は同じ。これからこの国は変わる・・。」

別にマイケルムーアの味方をするつもりはない。だが救済で手元資金が再び潤沢になった今の金融市場関係者がその油断から民主主義の恐ろしさを勘違いしている事は確信する。そしてそれは健康保険や金融改革法案とは関係ない話。法案に関係なく、また権力の側にある彼等が政治的な技を使って時間を稼いでも、いずれは必ず追いつめられる。そのケースとしては米国人自身による国内テロも気をつけなければならないだろう。

そんな事が起こる前にこの国ももう少しそれぞれが謙虚になる事を勧めたい。その理想は身近にある。それが日本だ。日本は成長は止まったかもしれないが、資本主義と社会主義が調和した人間社会としては実は進化した姿だと考えている。この姿を守りながら更に豊かになる進化を探すのか。或いは踊らされて単純に相手のルールに嵌るのか。VALUE RESET(価値の再生) その知恵が問われるだろう・・。





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