2010年7月14日水曜日

相応しい最後

ニューヨークヤンキースのオーナーのスタインブレナー氏が本日亡くなった。心臓発作だという。7月4日に80歳の誕生を盛大に祝ったとのことなので、本人に「その気」は全くなかったと思われる。ただ彼のイメージには合う。理由は簡単だ。彼と、このままでは必ずくるであろうこの国の最後のイメージがダブるからだ。

そもそも彼がヤンキースを買収したのは1973年。当時の金で10億円に届かなかったという。それが今は1600億円。ざっと200倍の価値なった。ヤンキースの収益は盤石。だがスタインブレナー氏の給料も200億円を超えた。全てにおいてケタ違いである。それは、歴史の長さとファンの熱狂という意味ではヤンキースにそれほど劣らないカブスの昨年の買収が僅か300億円台だった事と比較しても異常な値段である。そこでこのヤンキースの価値の正当性を考えた。

1973年のダウ平均は850~900。米国のGDPは$430兆円だった。ならばダウは平均はざっと10倍。GDPは4倍弱になった。その中で価値が200倍になったものはウォール街の給料がある。つまり、ヤンキースの価値の膨張は、ニューヨークを中心とした米国の金融市場の膨張と同じ。いや、寧ろスタインブレナー氏はウォール街より早かったといえる。

そしてウォール街の給料がヘッドハンテイングで膨張する時代、ヤンキースは次に次に有力選手を獲得した。その際に使われた金額はMLBの給料を今の水準に引き上げた。だが人々を熱狂させる為、価値を維持する為に使われたのはステロイドだった・・。

そしてステロイドの運命がどうなるか。彼は最後にそのメッセージを残してくれたのではないかと考えている・・。



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