2010年7月16日金曜日

愛国心のないゲーム

デューク大学とCFOマガジンが共同で行った調査によると、現在170兆円という膨大な手元流動性資金を持つ米国の大企業(金融を除く)は、その資金を使って雇用が拡大する新規事業に消極的であることが判明した。同調査では、では、いつになったら雇用を増やすのか質問したところ、事業が順調に推移したとしても、2012年からでないと雇用を増やさないという答えが圧倒的だったという。(ワシントンポスト)

順調でも2012年までは雇用を増やさない・・。この返答を聞いて、まずその理由を想像してほしい。ヒントはこのブログ。過去このブログでには、金融危機で真っ先に政府に救済された米国の大企業は、今その政府を足蹴にしていると紹介してきた。その根拠として、政府の掲げる新しい規制や増税案を大企業はロビーイスト使ってことごとく邪魔してきたからだ。そしてその究極的な反抗がこの返答である。

感のいい人は判るはず。つまり、大企業は2012年でこの政権は終わりにしたいのだ。だからその前に雇用を増やし、次の選挙て現政権を援護する事などはしないという意志表示がこの答えである。この実態を庶民を対象にした報道番組のMSNBCのキャスターは「経済的愛国心の欠如」と言ういう方で激怒している。

その怒りはオバマ政権の幹部も同じだろう。だがその政権は本日スキャンダルの渦中にあったゴールドマンサックスを、少しばかりの罰金で放免した。ここにこの政権の悩みがある。本当は金融をもっと叩き、大企業には税金をもっと負担させたい。だがソレそれをすれば株が下がる。何度言うが、この国は株価が全てだ。特に今は米国にとって死を意味するデフレの瀬戸際。だから彼らを責め立てて株を殺すわけにはいかない。そしてその政権のジレンマをいいことに、自分だけは高給をむさぼる人々・・。

結局この状況が新たな支持率の下落につながる悪循環だ。ただ大企業にも言い分はある。これまで政権は矢継ぎ早に様々な法案を出し、病み上がりの彼らを混乱させたのは事実。だがそれも本日で一段落した。金融改革法案が成立したのだ。まあこれで仕切り直しである。

いずれにしても米国庶民の苦境は今の株価が現わす水準よりもはるかに深刻。そう、今のこの国の株価は実体経済の鏡ではなく、ゲームの途中経過。そんな中でゴールドマンを潰している余裕はない。ゲームにプレーヤーを早く戻す方が大事である・・。



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