2009年6月26日金曜日

貴重な清貧

昨日の午後、帰宅途中でラジオをつけたらスポーツの結果がを流れていた。まずスポーツ記者が、「カブス・・負け、ホワイトソックス・・勝ち、ベアーズのセーフティ、カンザスに移籍・・」そして「コンフェデレーションカップで米国が優勝候補のスペインに勝利・・」 続いてメインアナウンサーが「それってラグビー?それともサッカーの話」と確認していた・・。

まず米国人のサッカーに対する関心度はこの程度である。関心が低いとビジネスとしてのサッカーは貧しい。それは選手の給料をみると一目瞭然だ。ビジネスの規模で最大の野球は選手の稼ぎもアレックスロドリゲスの年収30億円超をトップにメジャーの平均は3億円を超えている。そして2軍以下を入れても80年台と比較して選手の平均年収は30倍になった。この成長力はまさしく金融市場と似ている。金融市場で働く人々の年収も野球とほぼ同じペースで拡大したが、この二つの共通するのはいうまでもなく「ステロイド」である。(金融市場のステロイドとは90年代以降の過剰流動性と規制緩和を指す)一方で米国のサッカーの年収はナショナルチームのトップ選手でも国内リーグでは6000万円前後だ。

そんな米国のサッカーチームの国際試合は時々見る。またスペインリーグは冬の間の楽しみだ。この両チームを比べ、米国がスペインに2—0で勝つ事は奇跡ではない。米国にはその力が十分ある。だが恐らく昨日の試合でも、米国チーム11人の全員の年収の合算はリバプールで活躍するトーレス(スペイン代表のフォワード)一人の年収に届くかどうかだろう。その意味でスポーツの「レベル」には2種類がある。まずは純粋な勝利への気迫のレベル。そして恵まれた環境と有り余る金によって造り出されたビジネスとしてのレベルである。

個人的に米国のサッカー代表チームは好きだ。汚いプレイが少なく、全体がキビキビし何より清々さがある。汚れた英雄が多くなった野球とは対照的に、恐らくマネー主義米国に残された希少な「清貧」である。そして彼らのレベルは高い。そのレベルの差は実力以上にチヤホヤされる「ジャパン」との比較でも野球よりもサッカーの方が格段に開いているだろう・・。



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