2009年7月16日木曜日

雑草の青芽

まるで中国経済の傘下に入った様な米国の株式市場。この国は国家より先に金融市場が中国に降参している。ただその中国の指標も明日が終われば30日まではない。よって明日株はピークだろう。そしてその後の相場の主役はアーノルドシュワルツネッガーになる・・。(カリフォルニア州の破綻の可能性など)

ところでCNBCでは今週の株の戻りが本物がどうかの議論で盛り上がっていた。その過程で某ファンドマネージャーが現在4兆ドルの資金がサイドラインにあるとコメントしていた。そもそもCNBCに登場する人々はファンドマネージャーは当然のこと、時より見かける若輩アナリストを除けば大半が年収1M以上の金融市場関係者だ。私からすればその彼等が何をどう分析してもその視点は彼等自身のモノであり、真実は普通の生活者が一番知っている。そしてその4兆ドルはそのままでは一般大衆を潤す事はない。なぜならその資金は以前にも増して非情なリターンを追い求める宿命にあるからだ。この構造はバーナンケが今後どれだけ流動性を提供しても変わらない。そして次に災いが起こる時、それは所謂バブルの破裂ではない。寧ろ市場の外に行き場がなかった資金がどこかに溜まり自身の重みで自滅する。或いは過剰リターンを追い求めた過ぎた結果、最後は自分自身を殺しに行く展開ではないかと考える。

結局待ち受ける宿命は次のどちらかだろう。上記のパターンを避ける為、米国でも政治が更に経済に介入、経済は流動性を管理しながらより計画経済に移行する。或いは最後に市場原理がぶり返して死にかけの構造を完全に破壊し切ってから次世代へつなぐ。政治情勢は前者が圧倒的優勢である。ただ後者を望む共和党保守派が今後どんな巻き返しに出るか、個人的には彼等に注目している。そして一つはっきりしている事がある。それはCNBCでこれまで言わてきたGREEN SHOOTSは本物ではないという事だ。朽ちかけた巨木も全体がゆっくりと死んでいく過程で季節によって枝葉には青葉が付く事がある。今の米国はこの状況に等しい。なぜならGREEN SHOOTSを盛んに叫ぶ人々の大半がその巨木自身だからである。本当のGREEN SHOOTSとはその昔は隆々とした森林の巨木群が根まで朽ち果て、その後どこからか飛んできた種が発芽した青芽の事だ。そしてその芽は雑草の強さを持つ。いずれにしても今の米国はまだその過程ではない・・。


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