2009年9月19日土曜日

地区連銀と保守派の復活

来週のFOMCは確かに重要である。その要因として危機の最中は事実上「FRB=NYFED」だったが、このFOMCからは地区連銀が意見を言える状況が整った事を指摘したい。そしてFOMC後の25日からはロンポールが主導したFEDを監査する法案の審議が下院で始まる予定である。既に過半数超の288名が賛成しており、下院は通過する可能性が高い。ただ恐らく上院は通らず、またオバマはサインしないので法案としては成立しないだろう。だが生き残った大手金融機関が焼太りしたのは事実。結果株が上がり、FEDにもTARP資金の大半が金利と共に返還された事で国益にかなった言う事も可能だが、ここまでドル安が進んだ事を怒る米国の保守派勢力を侮るべきではない。

それでも今は内需が弱くインフレがない。またキャリーの結果でドル安が進んでいるだけとの説明も通る。究極は能天気にドル安は株高に繋がっている。だがよく考えると相対価値の為替に絶対価値の株が連動するのはどこかで限界が来る。そして流動性だけで景気を維持する手段は保守派が絶対に認められない新陳代謝を否定した米国の日本化を意味する。そんな中今は商品に入る余剰資金もチャートポイントの手前で引き返す躊躇を見せている。だがこのままサイクルに留まる保証はない。仮にブレークしたら病み上がりの消費者はひとたまりもないだろう。

いずれにしても民主主義の米国ではこのまま金融機関だけが焼け太りしたまま終わる可能性は低い。それを予期してか、救済の恩恵を受けた勢力は健康保険や人種問題等の波風を荒立てて時間を稼いでいる。だがそれでも保守派の逆襲が一旦は起こらざるを得ない状況に米国は煮詰まった。恐らくそこから株は下落に転じる。そのリスクを考慮し、一方で変わりつつある政治の風向きには逆らわずバーナンケは軸をどこに合わせるのか。学者型の彼にはどちらかという不得手な舵取りを迫られるだろう。なぜならまだこの種の手腕で彼は前任者の領域まで達していると思えない・・。



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