2009年9月30日水曜日

金融ゲームのルール

今日のワシントンポスト紙にはゼネラルモータースやワシントンミューチャル、更にリーマンがと言った倒産株(ゾンビ株)がいまだに活況を呈している事への警鐘がある。具体的には倒産後3セント(2円)まで下落したリーマン株はこの2カ月で30セント(25円)まで買い上げられた。理由はない。ただその過程ではリーマンのビジネスを引き継いだバークレイズの名前を語ったデマが市場に出回った。それからすれば早大OBの株価操作の手口など単純だ。日本のニュースからはリーマンの様な「風説の流布」があった様子もない。逆に言うとこんな単純な手法で40億円も稼げる今の日本の株式市場の異常さには驚く。

繰り返すが今米国で起こっている株価操作はもっと複雑でその分悪質でもある。ところが米国ではその違法行為をマスコミは取り上げても司直の手はまだ伸びていない。これには二つの理由が考えられる。まず米国はあのマードフ事件もいまだ全貌が解明されておらず、責任を問われている証券取引委員会は手いっぱいである事。またNY司法局も金融危機の最中で発生した様々な案件にかかわっている。そしてそれらの案件は複雑な非上場市場が舞台だ。それに比べれば上場市場はオープン。そしてそこでの取引に最早不正の入る余地それほど残されていないとだれもが知っている。

結局オバマ本人が掲げた理想とは裏腹に、国家がラスベガス化した米国では株が上がれば全てが許される風潮は危機以前よりも今の方が強い。そしてその金融市場で重要な要素はゲーム感覚である。一方日本ではゲーム感覚そのものがどうやら否定される。また小僧が簡単に金を儲けする事も社会として許せないのかもしれない。ただ金融国家としてゲーム感覚の蔓延を黙認する米国と精神論でソレを否定する日本は金融市場を通して繋がっている。

そんな中で鳩山政権は金融の本質の性悪説と、物作りの本質の性善説のミスマッチにどう対応するのだろう。その国家的戦略が注目される。


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