2011年4月20日水曜日

日本車のピンチ

ここ数日、ニューヨークタイムスの一面は瓦礫の前で呆然とする被災者の姿がある。だがこれは東北の人ではない。先週ノースカロライナを襲った竜巻は30人以上の死者を出した。米国では竜巻で人命が失われるのは珍しいことではない。だがこれでオバマも日本の被災のことばかり言ってはいられないはずだ。なぜなら2012年の選挙戦はすでに始まっている。

ところで、こちらでは企業の2011年第一四半期の決算が佳境を迎えている。ここまで発表された決算では、半数以上の会社で業績が目標を下回った理由に日本の震災を上げているという。金融をやっているとそこまでのイメージはないが、2010年にはメーカーの経営者も今年の株高まで織り込んで随分高い報酬受け取った。株価至上主義のこの国で、彼らにとって日本の震災は体のいい株主への「言い訳」になっているのかもしれない。

そんな中、今日本の自動車産業が辛いのは自分の趣向からも実感する。実は先月までトヨタのハイブリットを乗っていた。それを日産のハイブリットに変えようとしたところ、シカゴの日産には在庫がなく、仕方なくトヨタの別の車種を注文した。そこに大震災。注文の車種はいつ来るかわからず、結局別のトヨタのディラーで注文車種のデモカーを代わりに入手した。

この様に、米国市場では日本車の流通が滞る中、欧州車が快走している。昨日BMWが今年発売予定の電気自動車を公開。そして今日はポルシェが新型ハイブリットを公開した。これらは日本車が得意としたところ。この国ではピックアップトラックはBIG3に愛着を持つ人が多い。ただそんな人もセダンは日本の新技術に引き寄せられていた。韓国やBIG3は新技術では日本車に勝てない。しかしここでドイツ車にシェアを奪われるのは厳しい。

それにしても、ポルシェが最初に電気とガソリンのハイブリットを作ったのは1900年だったという話には驚く。当時は全く人気が出ず生産は直ぐ終わったという。そもそもその頃の米国では電気自動車がかなり走っていた。だからフォードやGMの社名には「モータース」がつくらしいが、圧倒的にガソリンが安くなっていく中、ハイブリットの入り込む余地はなかったという事だろう。ならばニーズが逆の今、あっという間に電気自動車の時代が到来するということかもしれない・・。




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