2010年1月16日土曜日

平和に踊る大捜査

米国で日本の衆議院に相当するのが下院。その下院で与党民主党の重鎮として現在金融改革の先頭に立つのは同性愛者である事を公にしているバーニーフランク議員である。ここでは時より彼を「タヌキ」などと揶揄する。だが人懐っこい庶民的なキャラクターもあり、彼の政治基盤は盤石である。そして彼は一昨年同じ同性愛者だった住宅金融公庫最大手のファニーメイの重役との特別な関係が噂となった。だがそんな噂はものともせず、彼が中心となって決めたファニーメイ救済案のおかげで今のところ米国の住宅市場は崩落を免れている。

また上院のクリスドット金融委員長はTARP法案設立で中心的な役割を果たした。ただ彼はあまりにも巨額な献金を金融機関から受け続けた事と、自宅の住宅ローンではローン会社最大手のカントリーワイドから特別に優遇された低金利待遇を受けた事が公となると失速。今秋の上院選での再選をあきらめた。だがTARP資金で米国の金融市場が救われた事は言うまでもない。そしてこれ以外にも現役の国会議員と業界の癒着のスキャンダルはこの国では日常茶飯事である・・。

さて、日本人は米国は正義が優先される国とのイメージを持つかもしれない。だが前述の例も含め、この国の検察当局の優先順位の付け方は日本とは違う。こちらの検察は正義より明らかに国益を優先している。よって米国では司法長官を抱える政権とその関係者に対して司法が発動するは事は稀だ。以前に現職大統領だったニクソンが微罪で辞任に追い込まれたが、この事件は70年代という特殊な時代に大手MEDIAが先手を打ち政権がソレを抑えられなったという特殊な側面がある。だがその例を除けば、絶えず戦争をしている米国では国家を指揮する立場の人がチンケな理由で途中で起訴される事によるリスクは敢えてとらない。

一方日本。個人的に小沢氏の肩を持つ気はない。また小沢氏は党の幹事長であり表向きは政権関係者ではない。だが小沢氏が最高権力者である事に疑いはなく、ならば東京地検の意図はなんだ。東京地検の優先順位の背景が知りたい。万が一にもそれが自民党や米国の意図を受けたものなら問題だ。そして「小沢詣で」をしながら小沢氏がピンチなると手のひらを返したように辞任を要求する中堅以下の議員の存在も醜い。当選するもしないも小沢次第ではあまりにも政治家として気概がなさすぎないだろうか。いずれにせよ平和の中、国民に戦をしている意識のない間は意味のない話かもしれないが・・。




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