2010年1月27日水曜日

肩代わり政策

今日のワシントンポストには米国が中心となりロンドンで開かれたアフガン戦略会議において日本と英国が500億円の新戦略基金の音頭をとるとの記事がある。記事ではこの会議には70の国が代表を送っているとあり、米国からはヒラリーが参加している。どうやら自軍をアフガンに展開するNATO加盟国が中心だが、そこに日本の代表がいるかどうかは定かではない。そして日本は「米国に約束した4000億円のアフガニスタン協力資金」から最大の資金提供が見込まれるとある。

ちょっと待て。そういえば11月ごろ鳩山政権は「アフガン復興」への資金協力を約束をした・・。との報道をさらりと聞いた記憶がある。だがソレが4000億円という巨額である事と、記事が事実なら「復興」の名目だったはずが、まだ戦闘中のアフガンに米国の要請で資金を提供する事になる。これは捨ておけない事態である。

そんな中で日本の報道からは相変わらず小沢問題と普天間以外聞こえてこない。またこの様な重要な会議に日本の代表者が参加者しているかどうかの報道もない。ではなぜ基本的に米国の戦争であるアフガン戦争において日本が英国と同格の責任を持つ国として扱われなければならないのか。こんな事が起きている事態を日本のマスコミは知っているのだろうか。

記事よるとアフガン戦争において米国は大幅な戦略の見直しを迫られた事が判る。以前パキスタン軍と米軍の関係が悪化している話を紹介したが、そんな中で3万人を増派したオバマ政権はこれ以上の犠牲は払えない。そこで戦略を変更し、武器を実弾から現金に変えた。タリバーンの兵士の80%が金が目的である事を知り、米軍は自分の命を危険に晒して彼等を殺すのではなく、彼らに金と仕事を与える戦略にでるという。そこで日本(資金)の出番となった。しかしそれではアフガン戦争は「米国の戦争」から、復興の名目でいつのまにか「日本の戦争」にすり替えられた事になる・・。

そんなバカな。ここでは以前から「魔境アフガン」に侵攻した国は致命傷を負うという呪いの原則に従い、米国のアフガン戦争に日本が巻き込まれない様に再三訴えてきた。だが終に最悪のパターンになりつつある。そしてこれで米国が普天間で平穏を装っている理由が判った。日本が小沢問題と普天間に気を取られている間に規制事実を創ってしまえばよいだ。そしてこの策略を鳩山政権が承知しているならとんでもない話である。

ところで、今オバマ政権は本当に苦しそうだ。昨日オバマは突然今後3年間の政府支出の凍結を発表した。これを一般教書演説の目玉にするのだが、今までの戦略からしてあまりにも唐突。これではじゃぶじゃぶに麻薬とステロイドを打っておいていきなり20キロの減量を強いるに等しい。全てはマサチューセッツの選挙が転換点となったが、経済の根幹の住宅でも、3月をめどにファニー/フレディー(住宅金融公庫)を通しての救済とFEDによる住宅債券の買い取りプログラムを本当に止めるつもりの様子。

だがそれでは市場が再び下落する危険性が高い。だからファニーフレディーから民間が引き取った債券の値下がりは政府保証を付けて民間に出資を要請している。要するに全ての政策が資金的な限界に達しつつある米国はいかに負担を第3者に「肩代わり」させるかという戦略に出た。米国は本当に必死だ。優秀な人材が集まるこの政権はその知恵を終結してこの戦いをするだろう。日本はそれを承知で米国と対峙しなければならない。さもないと米国に引きずりこまれ、死ぬのは日本になる・・。




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