こちらで相場をやっていると、今が大変な時代になった事を感じる。たとえば本日、米国や欧州の株が一番下った時間帯では、直前にリビアで追い込まれたカダフィーが化学兵器を使うという情報が流れた。ところがすぐに今度は彼が撃たれて死んだという情報が流れた。この間マーケットは乱高下。だがどれもこれもデマだった・・。
このようなデマが金融市場を支配するようになって久しいが、最近はその手段に新しいツール(道具)が加わった。それはFACEBOOKである。これまでは似たような道具に金融のプロの間ではブルーンバーグのチャット機能があった。だがFACEBOOKは写真なども掲載しながら一般の人をも巻き込む。事実ならともかく、意図的に嘘を流されたらどうなるのか。こんな金融市場に振り回され、実体経済が影響受けることも十分ある。まさに恐ろしい時代が始まったということだ。
ところで、この様なFACEBOOK時代を演出しているのは何を隠そうオバマ政権である。そもそもオバマ政権はFACEBOOKの威力で生まれたといってもよい。だからオバマ政権がFACEBOOKを自分のために使おうとするのは当然だろう。
そんな中本日オバマ政権は、住宅ローンの書類不備で居住者と銀行の間で訴訟になっていた騒ぎを、銀行側に2兆円の罰金を支払わせることで終結さえる強引な手段に出た。そしてその延長で銀行には住宅ローンの元本の減免までを迫っているのである。
これは家を買う時は保証人を立て、仮にローンが払えずその家を売っても借金が残るのも当たり前のリコース社会の日本の価値観からするととんでもない行為である。だが解析すると次のような効果がある。
まずこれでオバマ政権は、本来は自己責任でありながら住宅ローンを抱え返せない庶民(弱者)の味方になる。だが実際はFRB(中央銀行)が今のゼロ金利政策を続ける事で、不良債権化した住宅ローンを時間をかけて銀行のバランスシート上で償却させる事が可能だ。また昨日も触れたように、一般企業は超低金利政策の恩恵で自らはタダ同然の安いコストで資金が調達できることから、インフレのマイナス面はできるだけ消費者物価には転嫁しない体力が生まれる。
つまり、中央銀行が今の量的緩和を続ける限り、少数の金融関係者や大企業の経営者と、大多数の庶民のどちらにも受け入れられる政策が打てるというとである。ならば中間選挙では敵だったビジネスと金融界も味方につけ、2012年の選挙は勝てるという事ではないか。
このスキーム(手法)は真に96年に予行演習を経験したクリントンチームが演出しているのは間違いない。ただその時は米国も世界経済藻上げ潮だった。だが今は違う。米国は衰退し一方で後進国は勃興国になった。
この状況ではインフレは米国では抑えられても、他国(日本を除く)ではそうはいかない。そんな中で米国の共和党はこのまま指をくわえ何もしないで終わるのか。だとすると米国は新たテロの対象になる可能性を感じる。まあそのあたりじっくり観察したいところである。
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