カタールでの決勝戦、知らなかったが、日本とオーストラリアの熱戦を2000人以上がスタジアムの外で待たされたまま試合は終わってしまったという。中にはサウジから1000マイルをドライブし、ホテル代に2000ドルつぎ込みながら最後まで中に入れなかった人がいた。その最大の原因は表彰式に現れたカタールのロイヤルファミリーの警護だという。中東では特別な存在の王族と世界でサッカーが持つパワー、このバランスを中東初のワールドカップ開催国のカタールは2022年までマネジ出来るのだろうか。NYTIEMS紙は同国のアジア大会運営を酷評した。
ところで、チケットを持ちながら2000人がスタジアムに入れないなど、ヨーロッパならそれこそ暴動が起こってもおかしくないが、エジプトの暴動に一番頭を痛めている国はどこか。それやはりイスラエルだ。過去25年イスラエルはムバラク政権から天然ガスの供給を安定的に受けてきた。ムバラクの前任のサダトがカーター大統領の誘いでイスラエルと妥協してから中東の軸は変わり、そのコストをサダトは自分の命で払ったが、後を受けたムバラクがサダトの方向を変えなかった事が西側とイスラエルにとってどれほどありがたかったか。
それだけ当時のエジプトは民主主義を受けいる許容力がすでにあったという事かもしれないが、今の混乱が落ち着いたとしても、混乱の前に一番勢力を持っていた政党が反イスラエルだっただけにイスラエルとして今の状況は緊急事態である。何よりも今回のエジプト急変は、年初にエコノミスト誌が予見した、ヒズボラの軍備拡大によるイスラエルとの衝突の可能性が高まる中での事。そこに先の選挙でレバノン政権が実質ヒズボラに支配される事態となっていた。
そしてイスラエルはエジプトの影響がヨルダンに飛び火する事を一番恐れているという(NYTIEMS)。確かにモハメッド以来の血筋を誇る同国の王政が崩壊すれば、サウジやシリアを含め、中東全体がイラン化してしまう恐れさえありうる。まあその前にイスラエルにとって全ての軍事作戦の前提がムバラク政権の安定だったことからすれば、作戦の立て直しにイスラエルが時間を取られる事が凶か吉か。興味はその一点である・・。
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