2009年1月19日月曜日

妖怪の提言

NYTIMESの高級版、ヘラルドトリビューン12日版に、あのキッシンジャーが新政権に向けて提案した「NEW WORLD ORDER」なる寄稿文が掲載された。

http://www.iht.com/articles/2009/01/12/opinion/edkissinger.php

簡単に要約すると、既に世界がここまでグローバル化した以上、この金融危機で各国が内向きになるのは避け、危機打開のために新しいグローバルシステム(右傾化しすぎた米国主導の市場原理ではない)を構築するべきである。そしてその先導役としてオバマ政権はこの金融危機をその切欠にしなさいとの趣旨である。また各論の中で米国は太平洋においては中国との共存がカギであり、その為にもメキシコとカナダとの経済ブロックを強化しながら日本などを取り組んでいきないさいとのアドバイスである。

そもそも米国発の金融危機で世界がここまで困窮しても、米国の代替がない以上キッシンジャーのこの持論に反論はできない。ただ他国民にも感情がある。全てを合理性だけで米国の国益中心に回していこうとする彼の姿勢ははたしてこれまで通りに受け入れられるだろうか。そしてアジアと太平洋経済圏の話題では殆ど無視された日本。この話が日本で話題になる頃には再び「日本無視論」を心配する愚か者が出そうだ。そこで勝負事においての駆け引きを知らない日本に提案する。ここでキッシンジャーの言う事など無視してもよい。今は頭を使ってあえて外国から無視されよ、その間に力を貯えるのだ。それを世界にされること米国が困る。だから彼はこのメッセージを出している。そして彼は日本が彼の話を無視するとは考えていない。

そもそも私が日本にいたころまで、NHKは毎年キッシンジャーに新年の所感を述べさせていた。しかしキッシンジャーは米中関係が雪解けした当時、彼はニクソンの使いで毛沢東に面会した時に日本について次の様な趣旨の事を述べたと言われている。「日本という国は僅か30年でちょん髷の江戸時代からあのロシアを倒す国になった。そして原爆を落とされ、あそこまで壊滅的打撃を受ながらまた30年でここまで復活した。本気にさせると怖いのでずっと眠らせておいた方がよい・・。」


日本人がずっと眠らされたとは思わない。だがこの期に及んでも言いように操られているだけでは起きていても眼(まなこ)を開いている事にはならない・・。








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