2009年1月17日土曜日

<今日の視点>膵臓がん

昨年放映された倉本総のドラマの主人公が膵臓がんだったせいか、設定上同世代の自分には突然「膵臓がん」が急に身近に感じられるようになった。そんな中で偶然にも米国のマスコミを賑わしているのは二人の膵臓がん患者である。一人は「ゴースト」でデミムーアと共演した映画俳優のパトリックスウェイジ。そしてもう一人はアップルの創業者のステイーブジョーブ氏だ。二人とも発病したのは随分前。ただ米国の医療のレベルの高さの証明だろうか、がんの中でも死亡率が高いと言われるこの難病を二人は克服、二人とも職場に復帰していた。

しかし先週まずP.スウェイジが緊急入院。そして昨日は市場で燻っていた健康悪化説を否定していたS.ジョーブが突然病気悪化を理由に任務を離れる事を表明した。結果アップル株は暴落である。ただジョーブ氏がアップルの象徴とはいえなぜ彼の病気でここまでアップル株が下がるのか、逆説的解説としては丁度いい話が数年前に発表された「フラット化した社会」中にあった。

要約すると、マイクロソフト社はOS開発ではアップルに遅れ、インターネットのブラウザではネットスケープに遅れた。また根幹のアドレスのWWWを開発したのはマイクロソフトには無関係のヨーロッパ人。要するにマイクロソフトはインターネット社会の根幹に位置する発明の大部分で後発だった。しかし90年代、そのNET社会を制したのはマイクロソフト。それはマイクロソフト社の政治戦略が長けていたからで、ゲイツ氏自身の発明力に頼った経営ではなかったからだとの分析だった。

逆にアップルはIマック、IポットIフォーンで株が復活したが、その中心には常にSジョーブ氏個人の開発の才能が存在した。万が一にその個人の才能が消滅したらどうなるか、アップルの今日の株価はその経営資源の問題を揺さぶっているのである。

さて、一方でマイクロソフトも転換点を迎えた。既にビルゲイツは一線から引いて久しいが、本日のWSJには実現すると同社としては上場以来初めてとなる大リストラの噂が載っている。会社はレイオフ(解雇)をしないための方策を模索中との楽観論あるが、発表があるとすれば来週中でそしてその規模は全世界で13000人程度との事である。いずれにしても金融以外にでも大津波がすぐそこまで迫っている・・。

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