2009年1月14日水曜日

<今日の視点>世紀の実験、

研究大好きな学生がこれまで自分が学んできたテーマの集大成の実験にのめり込んでいる・・。本日、経済学の権威のロンドンスクールオブエコノミクスで話したバーナンケはそんな「青年の眼」をしていた。最早彼にとって議会が問題視する国税を使う救済上のモラルや、誰が助けられて誰が見捨てられるかという政治的駆け引きは興味がない話。純粋にやりたい事をやるだけだ。ただそれが世紀の実験であるとしても、中央銀行総裁が純粋にやりたい事をやれるという事態が本当にあるとすればそれは100年に一度程度の話ではない。恐らくそれは300年に一度、300年前に英国で中央銀行制度が生まれてから最大の変化であると考える.

そもそも「今日の視点」ではまだ金利が上がるか下がるかの議論をしていた2006年頃より、「次に金利が下がる時は住宅市場が崩壊する時。そしてそのマグニチュードは最早金利水準の調整ではどうにもならず、市場原理が終焉する。だから簡単にはFEDは金利は下げられない」という立場を強調してきた。結果その通りになったと考えるが、最近のバーナンケを見る限り彼はじっとこの時を待っていた様な気がする

一方で前任のグリーンスパンが自分への批判を予想して昨夏に発言した「100年に一度」の表現は今人によっては「弁明や保身」また別の人には「諦め」の代名詞のように安易に使われている。ただこの現象はその言葉を使う多くの人は、実は現実に対して眼を閉じているか、或いは今回の金融危機が本当に意味するところを理解していないのどちらかの様に私には思える。「眼(まなこ)を開け、日本は必ず負ける・・」特攻に散ったあの京大生の遺稿がまた思い出された・・

0 件のコメント: