2009年1月28日水曜日

アイディアと実行力

昨年度のAIG保険のボーナスの内容がマスコミの知るところとなった。同社が救済金として国税4兆円を受け入れる事になった直接の原因である証券化商品の部門400人には$400M強(400億円)が支払われた。一方サイン会長はメリルのボーナス支払いについて、「あの時点でも過去の失敗を認める事は可能だが、未来を否定する事はできない。従ってメリルの未来のためにはどうしてもボーナスを支払わざるを得なかった」としている。

それにしても人間はお金の前では無力だ。ハドソンに不時着したUSエアーの乗客の多くは直後、命拾いをした事を喜び機長をヒーローだと叫んでいた。しかし朝のラジオによると、同社は水没した所持品の弁済として一律5000ドル(50万円)を支払ったが、乗客の多くは納得せず法的手段に出るという。命拾いを神に感謝する間もなく現実の世界は厳しいという事か。

そんな中でそもそもバットバンク/グットバンクのアイディアは何も新しいものではない。ただアイディアを実行するためには力技が必要になるだけだ。前述のように救済される銀行側が強欲なら、それを認めるかどうかの国民の側にもUSエアーの乗客が示す様に余裕は感じられない。この両者の間を議員とマスコミがどう結び付けるか。それが結果として金融相場に反映される。ただ最後は力技。そしてそれを実行した人間は最後落とし前を付けなければならない・・。

明治維新では討幕派から新しいアイディアがどんどんでたと聞く。しかしいざ実行の段になると、旧勢力(抵抗勢力)とのバランスや理想論が空回りして堂々巡りが続いた。そしてそんな時、最後はいつも西郷が「全ては短刀一つでかたがつく」と凄んで事が動いた言われるのは有名だ。では覚悟を決めた西郷役をこの国では誰がをやるのか。もし誰もいなければ、相場だけが振り回されて終わりだろう・・。



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