2009年3月12日木曜日

負けない人

日本では再び北朝鮮の拉致についてのニュースが一面を飾っている。そう言えば2年ほど前にここででふれたが、米国ではキューバからの難民が命を賭けて米国までの海を渡らなくなって久しい。そしてある不謹慎な思いが頭をよぎった。資本主義がここまで残酷な側面を見せ始めると、北朝鮮の拉致という行為事態は許されず、また肉親の長年の苦痛は耐え難いとしても、被害者があちらで特権階級として恵まれているなら、今の日本は命をかけても帰国したいと感じるような素晴らしい国だろうか。

さて、米国では昨年から話題の本がますます話題になっている。NYで何不自由なく育った男性が一流大学を出てそのまま広告代理店で重役まで上り詰めた。しかし一昨年に解雇されてからは凋落の一途。一旦は何もかも失ったという。だがそこから彼はスターバックスコーヒーでアルバイトを始める事からもう一度人生をやり直す。そして生きる気力を取り戻した後で手記を本にして発表。その本に注目したトムハンクスが映画化を前提に彼から権利を買ったという・・。

そんな中でNHKも昨年「UNDEFEATED ,不屈なる者」という番組を製作し、その番組が米国では昨日放映された。そもそも「UNDEFEATED」を「不屈なる者」と訳したのはNHKとしてヒットだ。本来英語では別の意味になるが、50代半ばで会社を倒産させ、自己破産を経て60代半ばの今もでタクシー運転手として前向きに生きる主人公の男性には感動した。

NHKはこれまで国民を鼓舞するためにヒーローを取り上げたドキュメンタリーが多かった。しかし自殺者の増加が懸念される今、その視点を逆にしたのはMEDIAとして流れに沿った正しい判断だろう。いずれにしても「UNDEFEATED」を「他人に勝ち続ける人」ではなく、「自分に負けない人」と訳したコンセプトは今の相場でも重要なコンセプトである。


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