NHKがオリンピックを盛り上げるために組んだ特集ミラクルボデイーは参考になった。番組は金メダルが有力な3人の世界的選手の体を科学的に分析、バンクーバーに向けての体作りから秘策まで、半年以上かけてじっくりと追っていた。ただそこは勝負事。金メダルが確実と思われた滑降のスピンドルは銀メダルに終わり、現役選手で最も4回転ジャンプの安定度が高く、また世界で初めて一つのプログラムで3回の4回転ジャンプを成功させたフランスのジュベールは昨日のショートプログラムで失速した。
そんな中NHKが選んだ3人のアスリートの中で実際に金メダルを取ったのがジャンプのアマンだ。そして3回シリーズだったこの番組は3人の中でもアマンが異質だった事を捉えていた。まず小柄なアマンは筋力やジャンプ力等の基礎体力は五輪選手の平均以下。その彼がジャンプを始めた切欠は11歳の頃、体が小さすぎて友人が出場したアルペン競技に出られず、しかたなく体格の足切りのないジャンプ競技に出た事だという。そこでジャンプは初めての挑戦だったにもかかわらず23メールを飛んで優勝。その時に感じた「空を飛ぶ感触」が忘れられず、そのまま競技選手になった。そして彼は他の選手がジャンプ力を鍛えるジャンパーになろうとするの対し、彼はいかにして長く、早く空を飛ぶかを極めた。彼は自分をジャンパーではなくフライヤーだと言う。彼のそのトレーニング方法は全く異質だった。
一方で惜しくも銀だった滑降のスピンドルは生死の境をさまよう大事故から復活した超人だ。彼は敢えて復活の場所を大事故を起こしたコースを選び、そこで人間の脳が持つ防衛本能を敢えてマヒさせて事故の時よりもさらにハイスピードで難関のコブ越えに突っ込んだ。「勝者になるには安全装置をチョットだけ外さなければならない」。彼の言葉だ。だがこの「チョットだけ」が超人とそれ以外の差。それはまさにバーチャールな相場にディトレードで立ち向う真骨頂と同じだ。だがバンクーバーの勝利の女神はそのスピンドルにさえ降りなかった。
アマンとスピンドルは何が違ったのだろうか。勝負は時の運だ。ただシリーズを全て見比べると、何となく感じる答えがある。だが旨く説明できない。ただそれは自分が感じるマーケットの本質と、時空を超えてサバイバルするの究極の手段と同じに様に思えた・・。
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