2010年9月22日水曜日

長い道のり

この国が健全だった頃、日本との違いで明確だったのは、たて前や形式ではなく、現実を直視し、素早く原因を突き止め、そして改善に向かって合理的に進むスピードがあった。

今もその伝統が完全に失われたわけではない。だが、昨日政権が金融危機に端を発した不景気は、昨年の7月に終了していたとする声明を採用したことは、これでこの後景気がどうなろうとも、ダブルデイップの定義が適用される可能性が無くなっただけで、今のこの国の現実の苦境には全く意味のない話である。

こんな話で選挙情勢が変わるとは思えないが、もし政権が意図して形式を重視したなら、米国の日本化もあながち否定できない。

さて、そんな中で今週のエコノミスト誌の表紙は面白い。それは砂漠の中、長い道のりを一人ポツリと進む星条旗を掲げたバス。テーマは、今の米国は回復過程の何処にあるのかという問いである。

そもそも個人的に米国は本質的にまだ長い凋落過程にあるという立場。よってエコノミスト誌のテーマには答えられない。ただ記事の結論には同意する。その結論は次の通りだ。

Americans are used to great distances .The sooner they, and their politicians, accept that the road to recovery will be a long one, the faster they will get there
「昔のアメリカ人は知っていた・・。回復への道のりが長ければ長いほど、ソレを早く覚悟する事が一番の回復への早道である事を・・。」

だがエコノミスト誌の英文は暗にその伝統を否定している。つまり、今の米国人にはその覚悟がない。だからいつ真の回復過程に到達するかは未定という事である。

まあ米国だけではない。今衰退期を迎えている先進国の選挙戦はどこも誰かに責任をなするつけるだけの応酬。つまりはソレが民主主義下の市場経済の限界点である・・。




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