日中関係ではフジタの社員が拘束され、民間の交流さえ氷ついている状態。ところが、米中関係では今日からバフェットとビルゲイツを代表とする一段が中国を訪れ、大々的なセレモニーが行われている。随行しているCNBCによれば、彼等の目的はバフェットが投資した電気自動車の会社を観る事。
だが、現状の中国の電気自動車のレベルとそこにビルゲイツまで同行している事を考慮すると、この訪問がオバマ政権の政治的な思惑に彼等が絡んでいる事は容易に想像できる。
そんな中、ワシントンポストは本日も尖閣問題をメインの記事で取り上げていない。昨日読売新聞は、米国でも尖閣問題の優先順位が高い様な記事を書いているが、いい加減この新聞が日本に間違った印象を流す事を止めなければならない。日本のメディアは、本当の敵は誰で、世界では今どんな戦いが起こっているのかを国民にきちんと伝える必要がある。
その事例として今日の各紙の一面トップは面白い。どこも北朝鮮だ。日本や欧州などの政治体制の比較的落ち着いた社会を除けば、北朝鮮しかり、中国も次期周金平体制に向け、団派と太子党の勢力交代が言われる国内政治の権力闘争が最大の懸案である。
それは米国とて同じ。2年に一回の中間選挙が迫り、下院での共和党の躍進はほぼ確定しているものの、上院の趨勢はまだ未定。そこに新しい現象として低落基調の民主党の支持率よりもオバマ個人に対する評価が初めて下回る現象が起きた。この意味は大きい。
オバマの個人の支持率が下がった理由は今日発表されたセンサスビューローの数値で説明できる。そこでは、2009年金融危機以降、米国内の貧富の差は更に拡大していた。これではオバマの支持層は救われない。
丁度良い例がニューヨーク。ニューヨークではアパートの賃貸料は株価の戻りと連動してじり高である。ところが、州が経営する公共のアパートの家賃の延滞率は昨年に比べて30%も悪化した。つまり、金融とその周辺ビジネスが活況になる中、同じニューヨークでも、公共のアパートに住む中間層以下はかなり疲弊していると言う事。彼らはまさにオバマの支持層だった人々。彼らの失望は明らかである。
この様に、中央銀行の供給した潤沢な資金に囲まれた金融市場関係者や大企業の経営者のコンフィデンスは拡大している。一方で一般の消費者の限界点は近い。だが政権は今の政策を変える事は出来ないだろう。なぜなら、この状況では税収の原資が個人の富裕層と大企業に特化しているからだ。
そして、この矛盾が噴き出すのは中間選挙後だろうが、米国にとっても最大の敵はやはり不満を抱えた国民。つまり今の米中はともに最大の敵は国内にある。日本はそこを勘違いしてはならない・・。
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