2011年6月9日木曜日

永遠の弱点 (顧客レターから)



昨日のバーナンケのコメントはDOVISH。だが株は今日も最後に下がった。つまり下げトレンドだ。今日はこのコメントではまだQE3を想定できないという事だろう。だが明日には再びリスクオン言い出すかもしれない。それはそれとして、こちらでも中国リスクがいよいよ言われ始めた。金融危機では中国が米国よりも先に景気刺激策を発動。結果的中国は直ぐに軌道に戻り、米国も恩恵を受けた。そして今、表向きの景気はともかく、その際の政府支出が焦げ付いている話。一説では刺激策を発動した公社に40兆円の償却を強いられたという噂である。まあ国家のポンジーでTARPが儲かって終わったと胸を張る米国と、~主義の常識に関係なく、最後は国家が全ての中国。一体どちらが健康的なのか判らないが、参加者が中国を意識すれば新たな相場の材料になるだろう・・。

ところで、昨日テレビで釈明をしたNYのウェイナー下院議員、ヒラリーの側近としてその美貌が有名だった奥さんを持ちながら(写真)、自分の破廉恥な写真をTWITTERで知り合った女性に送りつけた事が発覚した。その中にはアダルト女優がいるとのことで、どこかUSオープンの出場を辞退したタイガーウッズを彷彿させる話。ウェイナー氏はシューマー上院議員が下院議員だった時の議席を引きついでから10年、一度も60%の支持率を下まわらないで議席を守っている実力者である。支持者がいる限り議員は辞めないとしているが、タイガー ストラスカーン ウェイナーと、どうやら仕事が出来る男には同じ弱点がある。

そして今の米国はこの種の失敗に厳しい一方で金融市場のモラルには寛容だ。本日WポストとNYタイムスは、1年前に決まったドットフランク法(金融改革法案)に基づく300のルールの法制化が殆ど進んでいない現状を伝えている。中には2012年の選挙後には法案そのものが死滅する可能性を今から計算しているWSの話もあった。

そもそもあれだけの危機を起こし誰も逮捕されなかったのはこの国が変貌した証明。日本の雑誌「選択」ではヘッジファンドがスラスカーンを嵌めた背後にいるなどとしていたが、なんでもかんでも陰謀説にする輩はともかく、ここまで金融が思うがままの世界の果ては、やはりTHE ROADかBOOK OF ELIしかない悪い予感。ならばそのリスクを遠巻きに指摘するフィッシャーダラス連銀総裁と、全く眼中にない真面目なバーンナンケはどちらがより頭がいいのだろう・・。





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