2011年6月16日木曜日

特別号 顧客レター全文 チンギスハーンになった牛若丸 



今日の値動は全く驚きではなく、もし予定い通りSQ前後で株が一旦ボトムを付けるなら必要な下げだ。ただ落ちてくるナイフをつかむ必要はない。株の買いは来週からで十分。その時は債券には一旦利食いが入るだろうが、下がったところは日本勢が買うので結果的に株債券も上がるかも(200日で株が戻れば米国人は買わない)そして油断が入ったところで予期せぬ事態、その時は株も債券も下がる。去年と同じでは芸がないので今年はこのシナリオで行こう。その前にチャート的にはOILの90ドル割れの可能性が興味深い。オイルで評価損を抱えているヘッジファンドは87ドルが切れればTHE END


<チンギスハーンになった牛若丸>

最近JPのジェイミーダイモン会長の雰囲気が変わってきている。先週も公の場でバーナンケに喧嘩を挑んだ事が話題になったが、実質ライバルがいなくなり、変化が出てきたと思われる。そして今日こちらでは彼が断行した人事が話題だった。彼は長年彼に仕えた二人の側近を切った。そのうちの一人、チャールズシャーフ氏は大学を卒業し直ぐダイモン氏に採用され、その後ダイモン氏と行動を共にした。当然ならが周りからはダイモン氏の後継者と目された。(チェースではMORGAGE & RETAIL BANKINGを統括)その彼を切るのは馬謖を切る思いだったはず。だがダイモン会長には別の思いもあったかもしれない。なぜなら彼は同じ立場から復活した人だからだ。

CITI帝国が完成して間もなく、CITIでワイル会長の後継者と思われたダイモン氏は突然ワイル会長から切られた。そもそもハーバードMBAを卒業し、GSに行く予定だったダイモン氏を口説いたのはワイル会長だ。その後ダイモン氏は敵も多かったワイル氏を支え続けた。そして筆者がCITI入った99年頃、旧スミスバーニーのマネジメント陣の下に入ったソロモンOBが上司を馬鹿にする中、唯一彼らからも尊敬されていたのがダイモン氏だった。自分の野望のために忠実な部下を切ったとされたワイル会長も苦しんだはず。だが、結果的にダイモン氏はこの時の悲劇が今の彼を産んだ。

同時期にCITIを辞めたのでよく覚えている。ワイル会長はCITIを造る際のリード会長(CITI)との約束だった「後継者を社外から」という姿勢を示すため、落ち度のないダイモン氏を切ったとされた。そしてこのストーリーがこの米国においても「判官贔屓」現象を起こし、ダイモン氏はバンクワンを経てスターダム街道を歩んだ。つまり彼は人気が出すぎたために頼朝によって切られたはずの義経が、実は中国に逃れ、その後チンギスハーンになってモンゴル帝国を築いたとされる、モンゴル人が聞けば怒りそうな日本の伝説を実践した人だ。ではこれからJPがどんな帝国になるのか。興味深く眺めてみたい。


From: OTakizawa
Sent: Wednesday, June 15, 2011 11:06 AM
Subject: FW: TAKIZAWAレター4

TYは予定通り欧州時間の終わりにシステム上のターゲットTYUの12308~12316を試した(引けにかけてその上のSTOPがヒット)。ただ、一部欧州系でFUNDINGの問題が出始めているとされる短期はともかく、ギリシャで騒いでいる割には現物の米国債は実弾の買いどうか。先物システム主導ならやはり午後は別モノと考えるべき。一方株はこのレベルが割れれば一気に200日を試すだろう。その時に強い抵抗線(20レベル)が抜けたVIXが、今度は25前後のトレンドラインで押し戻されるなら、株は今週が目先のボトムだった事を確認される事になる・・。


TYUはリズムとしては欧州時間の引けあたりで123-08~123-16のゾーンを試す雰囲気。一方その後の米株はどうか。「売上さえあれば赤字でも構わない・・」。今日上場のパンドーラはまさに救済経済のパンドラの箱を開けた後の世界にふさわしい銘柄である。尚、英文コメントしかり、欧州系ヘッジファンドは米国債のカレンダースプレッドで大量のポジションを積んでいる。



From: OTakizawa
Sent: Wednesday, June 15, 2011 8:10 AM
Subject: FW: TAKIZAWAレター2

尚、DEBT CEILINGのリスクと、欧州危機、更にはブルーんバーグが伝えた、FEDはいよいよインフレ目標設定に移るという話はどれもSTEEP要因か。インフレ目標設定を公式に始めるのは、QE3を政治要因にしない巧妙なやり方ともいえるが、まあ既に既定路線である。そして午後になると、NYのマニュファクチャーより。CPIの方が重要である事に気づく予感がしてきた・・。

From: OTakizawa
Sent: Wednesday, June 15, 2011 7:42 AM
Subject: TAKIZAWAレター




CPIやギリシャに反応しているこの時間帯と午後の米国市場は別モノ。先週までの下げトレンドでは株は午後に必ず下がった。では今日の午後はどうか。昨日の上げはボリュームが伴っていた。コレは、ソレが正しいかどうか別として、少なくとも株はボトムアウトしたと考える人が出たという事。ボリュームが出て戻すかどうか、まずはそれを確かめたい。またそんな市場のリズムとは別に、波乱要因はギリシャでも景気(指標)でもなく、上のエコノミストの表紙が示唆する共和党の陳腐化である。エコノミスト誌にここまでこ馬鹿にされた現状の大統領候補者達。(ロンポールが入っていないはなぜ?)それでも同紙はオバマの再選は景気次第であるとするが、このオバマ対共和党全体の構図の中で共和党議会はどう出るのか。かれらがDEBTCEILINGでやけくそになれば面白い事になる・・。




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