2010年8月4日水曜日

逆境の男

米国人は困難に直面すると、この国は逆境を克服してここまで発展してきた・・と自画自賛する。確かにその歴史は否定しない。そもそもこの国は移民によって始まった国。移民は、ふつう本国では逆境にあったからこそ移民したはず。だが移民国家というだけならお隣のカナダも同じ。カナダに欧州から移民が入植したのは1600年代初めで米国とほとんど同じだ。だが超大国となったのは米国。理由は、やはりこの国の建国の父が偉大だったということに尽きる。

だが、今金融に関わる米国人は、実は逆境に一番弱い生き物になってしまったのではないか。昨今の金融政策を巡る意見の対立などは、FEDは直ぐに悲鳴を上げる市場をどう導くか。子育てで悩む親と同じジレンマを抱えている。

そんな中で「バフェットの後任は彼しかいない」とバフェットの右腕であるチャーリーマンガー副会長が惚れ込む中国人のLI LU氏は確かに逆境には強そうだ。1976年、貧困地帯の26万人が死んだとされるあの唐山地震を生き残り、南京大学で物理学を専攻中に起こった天安門事件ではリーダー格として抵抗。そして弾圧を逃れるために一旦フランスに渡り、そこから米国コロンビア大学に入学した。そのコロンビアでは4年制(経済学)とMBA。更にロースクールを同時に卒業にするというコロンビア大学の歴史で初めての快挙を成し遂げた。(その後金融へ)

まあ、賢者は歴史に学び、愚者は己の経験に学ぶ・・というビスマルクの言葉ではないが、仮に経験から学んだとしても、この人の経験なら、逆境への抵抗力という意味では折り紙つきだろう・・。




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