「その家」は1950年代から、親子二代に渡り、ある標準的な米国の家庭を見守ってきた。ところが、親が死に、ベービーブーマーの子供が主役になったころから世間の荒波を受けるようになった。そして、無理をして組んだセカンドモーゲージ(住宅の二重抵当)の資金を元手にした事業が失敗。結果、ご多聞にもれず、一家はフォークロジャー(住宅の競売)に追い込まれた。
立ち退きの日が迫り、家族は荷物をまとめ始めた。そして地下倉庫の中で数冊の古い漫画がほこりをかぶっているのが見つかった。どれも古い。年代は1930年代が中心だ。だがこれから家を失う鎮痛には何の役にも立たないと思われた。だがその瞬間、その中の一つに見覚えのあるキャラクターが表紙となっている事に気づいた。スーパーマンだった。
その漫画はアクションコミックNO1という代物で、1937年発行のその号は何とスーパーマンが世にデビューしたまさに初版だったのである。踊り立った家族は早速ネットで漫画のオークションの実勢を探った。そして驚いた事に、デフレだ、不景気だと言われる現代において、米国でも古い漫画はとんでもない高値を呼んでいた。今年に入り2冊のプレミアム漫画がネットオークションで1億円以上で落札されていたのだ。
早速携帯電話で表紙の写真を取り、専門業者にそのままメールをした。すると慌てた様子でその業者から返信があり、やはりとんでもない代物だった事が判明した。実物を観た業者によると、1937年の初版にしては状態が良く、8月27日から9月7日までの間に最低価格2500万円からオークションはスタートするという。そしてネット業者は家族に代わり、銀行にこの家族には近々大金が入る事を保証。一家はフォークロジャーを免れたのである。スーパーマンはまさに救世主だった。(尚、一家は匿名を希望・・)
この話は今日のABCニュースで報道されたモノである。そういえば、最近はミシガンのガラクタ市であのチャップリンの未発表映画のテープがみつかり、またどこかのヤードセールで総額40ドル買った古物の中に、時価200億ともいわれる有名な写真家のネガがあったりした。どうやら宝くじを買うのはもう辞めて、ガラクタ市巡りをした方がよさそうである・・
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