2010年8月28日土曜日

マネーの新装開店    顧客向けレターから

それにしても終わってみると、あの程度のバーナンケのスピーチをなぜ我々市場関係者はここまで注目したのだろうか。答えは一つ。この国の実体経済がいかに酷くても、またこれだけ米国債が乱発されても、行きの場のない膨大なマネーに関わる市場関係者は、そのマネーを何処かに向けなければならないからだ。

だがその実態は虚業。後から冷静に今日の喧騒を振り返ると、新装したパチンコ店に群がる人混みの様の話だった。どちらの店どの台が儲かるか、皆それに躍起。だがその実態からは米株も米債も本来はボロボロ、とても買える代物ではない。バーナンケのスピーチはマネーを「新装開店」すると述べただけ、本質はそれ以外の何者でもなかった。

そんな中でゴールドマンの顧客向けレターの内容で債券が売られ、債券が売られたのシステムで株が上がったという現象面の事実があった。そして、皮肉にも最近は独歩高だったゴールドマンの株だけが本日は暴落した。

まあ先物の薄さとこの現物の出来高では、この株の戻りが本物とは誰も考えていない。ただこのまま勝手に債券が売られると、途中までは株は今日の様にシステムだけで上がるだろう。だがその後は・・、

金を稼がなければないのは皆一緒。だが敢えてCNBCから目を離す余裕も必要だ。今日はマーケット以外にもこの国の悲惨な現象があちこちにあった。これ等は今の市場の値動きに関係しない。だが本当は無関係なのモノなど何一つない。

いずれにしても、債券が売られ、それで株が下がり始める時は、いよいよ覚悟が必要になる。そしてそれは今のカジノ市場に慣れてしまったプレーヤーの感覚よりも必ず早くやって来る。ソレがマヒした市場原理の中で、現実の社会や経済に対し、あまりも歪に増えすぎたマネーに対する万物の原理、つまり究極の市場原理の答えであろう・・。




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