2010年8月25日水曜日

バブルの母

著名なファンドマネージャーのピータースチーフは、昨日CNBCで面白い発言をした。彼は「全てバブルの根源(mother of bubble)の米国債バブルがはじけた後は、この国は、株と住宅のバブルが小さく思える程の被害になる」といったのである。

そもそも全てのバブルの根源が米国債にあるという意見は少数派である。大多数は二つの意見に分かれている。まずは債券バブルだけを言う人。この人は、米国が日本のように成長力を失いデフレになってしまうという悲観論を受け入れない。だからその悲観論の証明である債券が今のように買われる状態をバブルと考える。

一方で実体経済がここまで酷いの状態なのに、まだ株価がこの位置にいるのはおかしいと悲観になる人。この様な人はもう成長力は期待できないという見方。その代表は日本の投資家である。

ピータースチーフに代表される少数派は全てがバブルと考えている。その根源は(Mother of bubble)過剰流動性だ。そしてそれが債券市場という避難所で起こった場合、もうその時は「流動性の罠」の状態。つまり金融政策の効果はないと彼は言いたいのである。

実はこの意見が最も悲観的な意見である。なぜならこの状態は、一度死にかけた麻薬中毒患者に、薬を抜く苦しい試練を与えず、更に強烈な麻薬で痛みを取ったその後で起こる現象だからだ。だがそんな意見はウォール街からは聞こえない。なぜなら今のウォール街はカジノ。カジノは流動性を否定しては商売にならない・・。

いずれにしても、その根源をどうするか。FEDの面々も、ニューヨークやワシントンといった都会を離れ、ジャクソンホールの大自然の中で頭を冷やせば多少は冷静になるだろう・・。






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