2010年8月31日火曜日

日曜討論

今こちらではグレンべックという変な男が注目だ。そもそも彼はFOXチャンネルでその狂人的発言で名を売り、今は一介のエンターテイナーから、共和党のシンボルとしてブームになっている。一部の共和党員がオバマをイスラム狂信者の様に考えるのは彼の影響である。その彼が、マーチンルーサーキングの「私には夢がある」のスピーチの記念日の一昨日、ワシントンで反政府デモを企画した。そしてそこには何と10万人の人が集まった。

日本人の第三者的立場でこれまでのグレンべックの言動を考えると、彼は保守の原理原則を訴えているというより白人至上主義である事は明白。その彼がキング牧師を語り、そこに白人中心の共和党原理者と人種差別者が入り混じって「米国を取り戻す」デモ。一方ニューオーリンズではカテリーナの被害から5年のイベント。その特集では、そこには黒人層が抱える退廃的な甘えが漂っていた。

そんな中ハーバードの教授のWSJへの寄稿記事が話題。彼の主張は、仮にオバマ政権が失業保険の延長を繰り返してこなければ、この国の失業率とっくに改善し、恐らく今は6.8%程度だったという仮説。これは共和党と今は共和党を支えるWS及び大企業を勢いづかせる話だ。それに対し、ニューヨークタイムスでは相変わらずクルグマンがオバマ政権の力不足を指摘。最新のレターでは、オバマ大統領個人の力量不足まで踏み込んでいる。これらの現象は中間選挙を控えた側面とは言え、民主主義と成長力減退というアンバランスが始まったこの国の現実である。

この様に、先進国が衰退する時は同じ道程を踏む可能性が高い。社会の老齢化が進みハードランディングが出来ない。そこで時間稼ぎのソフトランディングを模索する。まずは金融政策だ。だがこれを繰り返すと、実体経済に効果がないまま市場に生みだしてしまったマネーの逆襲を浴びる。そしてマーネーの力は生み出した親にも制御できなる時が必ずやってくる。

いずれにしても、今日の日銀の効果が何日続くかはしらないが、FEDも日銀もまずは行動が遅いと非難され、やっと行動すると一時的には称賛される。ところが、自律成長が終わると金融政策での時間稼ぎは極めて短期的。究極的結論にむけてゆっくりと事は進む。

そういえば日曜の朝、こちらでもNHKの討論番組をやっていた。参加者は現状を理解している。だがどこか違和感。世界がこの過程に入れば、政治家は他国を犠牲にして自国を守るの当然だ。だがそこにいた大塚議員や浅尾議員は平和時のウォール街のエコノミストの様だ。つまり、世界は表面的には平和だが、水面下ではケンカ始まっている現実に対し、戦う姿勢が感じられない。まあ無理もない。戦後の65年の日米関係の中でしか生きていない世代には発想に限界がある。

そもそも今回の円高は日本に原因があるもモノではない。米国発のこの話で日銀にどうこうしろといっても限界がある。米国はこれからもどんどん悪化する。ならば今日本の政治家が考えるべきは、一般向けの各論とは別に米国を超え、世界情勢の中で国益を考える力。それは新しいリスクテイクである。だが残念ながら今の日本の政治家でその覚悟のある人がいるかどうかを知らない。ならばせめてケンカを知っている小沢一郎の方が管総理よりは見たい・・。





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