2011年5月17日火曜日

大統領選の甘い罠





フランスの時期大統領選で「サルコジに勝てる」と言われた国際通貨基金(IMF)のストラスカーン理事長がなんと強姦罪で捕まった。IMFの本部はワシントンDCなので、氏がNYで捕まるのは不思議はない。本日はそれに絡んで陰謀説などの噂も飛び交った。だが氏には母国で実績があるらしい。実は冒頭の魅力的な女性はカーン氏が本国で「悪さ」をした時の被害者とされている人。彼女は家族のアドバイスで告訴はしなかったが、写真は英国の高級紙ガーデイアンに掲載された。

写真はソフィーマルソーの若い時のような典型的フランス人女性の魅力を放っている。噂が事実なら、どうやらカーン氏と自分は女性の好み同じだ。ならば言う。個人的にはこの種のフランス的魅力を放つ女性を米国ではあまり観る事はない。やはり陰謀説を感じる。

さて、この国では2008年の予備選では健闘したハッカビーに続き、今日はあのDトランプも大統領選には出ないと正式に表明した。まあ元々彼が共和党で出るのは無理があった。過去一度も共和党に献金した実績がなく(Wポスト)、また彼自身は何度も戦略的破産を使い自分は生き延びた人。つまり彼はこの国の救済の仕組みを最も有効的に使った人で、その本質はバリバリの民主党である。

それがオバマの政策は米国を滅ぼすと意気込んで共和党候補として可能性を探ったわけだが、それが無理と判っても周りが騒ぐ間は無所属での出馬をちらつかせた。これは自分のブランド力の更なる向上を図ったしたたかさだった。だがもしかしたら裏目に出たかもしれない。なぜなら出馬の噂に絡み、先週NYタイムスに彼の今のビジネスモデルが暴露されしまった。

実はここでは過去何回か彼の近年のビジネスモデルを紹介している。それは彼が自分では開発投資をせず、他人にトランプの名前を貸し、ブランド料として手数料を徴収していた事。そしてこのモデルを最初に紹介したのは2008年の春だ。

当時離婚したばかりの元夫人が開発業者と組んでラスベガスにとんでもない投資をした。それを横目に彼自身は手数料ビジネスへ転換を図っていた。その時ここでは「トランプ氏は不動産市場のピークを感じている」とした。結果はその通りとなった。

彼が好きか嫌いかは別に、それ以降個人的には何度も修羅場をくぐった彼をこの国でも正しい判断ができる少数の一人として扱った。一方で彼は2010年にもまだ全く不動産に興味ないと言い続けながら自分の名前は貸し続けた。そして今、彼の名前がついた物件を買った人々が損を抱えても知らん顔だ。

これにNYタイムスがかみついた。「トランプ物件」に投資をしてしまった人の声として、パンフレットには「トランプ氏は名前を貸しているだけで、物件に投資はしていない」との注意書きはなかったと紙面で証言。これに激怒したトランプ氏はCNBCのインタビューの最中に我を失って声を荒げNYタイムスを非難した。

こうなると大統領選どころではない。下手をすれば集団訴訟の対象である。またそうなれば彼のブランドの象徴であるNBCとの契約さえどうなるか(APPARENTICEシリーズ)。いきなりピンチに立たされたかもしれない事を察してあの激怒になってしまったのかもしれない。

一方で先週はあのロンポール氏が再び大統領候補者として正式に立候補した(写真ボトム)。80年代にはじめて立候補して以来、確認しただけで3度目。ただこれまでの立候補がセクトを代表する位置づけだったのに対し、今回はひょっとしたらひょっとするかも。なぜなら他の候補者はみなジョークの様な顔触れで、一番まともな現インデイアナ州知事のダニエル氏が若者にインパクトがないからだ。

ではこのFED大嫌いの老人が若者に受けるのか。個人的には意外に受ける可能性を感じる。なぜなら彼はリバータリアン。リバータリアンは共和党の本流を支えるキリスト教系の厳しい戒律とも無縁。麻薬も個人の自由。また同棲愛の権利も否定しない。つまり政府の大原則は個人の権利に干渉しない。そして他国に干渉すべきでないという姿勢も徹底しており、沖縄からの米軍の帰還も大賛成だ。

一方集団で暴挙に出るリスクを判っており、彼はなぜアフガニスタンでなくイラクに侵攻するのかと、03年の議会の戦争容認に、08年の共和党の大統領立候補の中で唯一反対した(オバマと全く同じ)。そして極め付けはFEDの廃止。ただロンポールは中央銀行の機能を否定しているのではない。今のTOO BIG TO FAILを容認するFEDの在り方を否定しているだけだ。そして彼は昔からゴールドやシルバー等の商品の裏付けのないマネーに国家が依存する体制を強く批判してきた実績があり、結果としても今の世界情勢で誰が正しかったかは一目瞭然である。

こうみると、実は彼は正しい事一番言っている可能性があるが、米国の塊の世代が怠惰になり、これまで変人扱いされた面も否定できない。そんな中バーナンケFEDによって救われたのは金融市場にかかわる人間とベービーブーマー世代が中心となると、その不満を代弁しているあのローリングストーン世代がオバマへの失望の代わりに彼を支持する可能性はあるのではないか・・。



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