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2011年5月27日金曜日
死と資本主義の関係
冒頭の写真の人々は今週亡くなった人たちである。
上 <Huguette Clark>
彼女をここで紹介したのは、昨年日本で高齢者の行方不明が続き、遺族の中には不正に年金を請求していた事が世間を騒がせた時だ。物悲しい日本の現実と、NYの大金持ちの老人を対比させた。
彼女は、1920年代、ロックフェラーの次に金持だったクラーク卿の一人娘、ヒューガットクラークさん。70年代に最後に姿を観られてから、40年間NYの病院で暮らし、その間は謎の会計士以外に彼女を観たという人はいなかった。5番街の豪邸とカリフォルニアの大邸宅は時価200億円。ずっと空き家状態が続いた。ところが、別の別荘とモネ(絵画)を謎の会計士が売却、それをきっかけに警察が調査に入った。本日、彼女は104歳で亡くなったらしい。
同じ日、NYでは医療制度の改革を掲げた共和党候補が予備選で敗北した。オバマの救済策に怒り、中間選挙で共和党に入れた人々が、今自分への救済を削られる話にはNOを突きつけたのだ。
これで判った。なぜ2012年の共和党候補者の顔触れが動物園の様相なのか。もともと日本の自民党と民主党に大差はなく、政党の批判やマスコミの攻撃は小沢氏や管総理の個人が好きか嫌いかを煽っているだけ。米国も、ロンポールやギングリッチを支持するセクト集団を除き、真の共和党の政策を支持する人はもういないという事だろう・・。
中 <John Delaney>
彼は、2000年以降、ブッシュ・ケリーの大統領選などのノン スポーツイベントの未来予測を先物市場で立ち上げ、新たなビジネスモデルを作ったINTRADEの創設者ジョンデイラニー氏。彼は裕福になったにもかかわらず、エベレストに挑戦し、頂上を目前に43歳で死んだ。
当然死ぬ危険性は判っていたはず、それでもリスクを選んだのはなぜか。確かなのは彼が死ねば誰かが引き継ぐ。無謀ともいえる行為の裏で、彼も「命の価値は長さではない」と割り切れる人だったのだろう。
命をかけたリスクへの挑戦が過去の米国の資本主義の発展の裏にはあった。日本でも幕末から明治にかけての黎明期を支えた武士が、命の価値をその長さで測ったとは思えない。だから日本はそこから発展したのだ。ところが、現代はそもそも「死」を前提にしていない戦後生まれの我々が市場原理や資本主義を振りかざしてきた。実はこれは矛盾だった。自身の老化と世界のパワーシフトの中、この本質に今我々は直面している。ならば今さら資本主義のルールを議論している場合ではない。もっとほかの議論があるべきであるだ・・。
下 <Mark Haines>
仕事として10年以上ほぼ毎日CNBCを見続けた。あまりにも濃い女性陣の中、マークハインズの存在が、CNBCにもジャーナリズムがあるという最後の一線だった。突然亡くなったのは衝撃。エリンバーネットも去り、CNBCは本当に動物園になってしまう予感・・。
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