2011年5月7日土曜日

仁-JIN について


<画像は近代日本人の肖像画から引用>


今年の大河ドラマは酷い。代わりに「仁-JIN」を観ている。オリジナルの漫画は知らなかったが、勧められた前作に感動し、続編を待っていた。前作では緒方洪庵のセリフに作者の力量を感じた。そして新作では初回にあの佐久間象山を持ってくる妙を感じた。象山は長野県人にとっては地元の英雄。ただし彼が吉田松陰や勝海舟に与えた影響は一般的に知られていない。実際に残された写真の象山はとても日本人に見えないが(セム系の顔)、信州の山に囲まれて育った彼がなぜあそこまで開明的だったのか。創作ドラマとはいえ、その理由にタイムスリップを用いるとは、ストーリーの創作が中途半端な今年の大河は足元にも及ばない。

一方でこのドラマがヒットする背景には「命」をテーマにした医者と患者の物語がある事も見逃せない。震災ドキュメント然り、日本人は命の話が好きだ。そんな日本仁の気質が功を奏したドキュメンタリーをNHKが放送していた。世界的宝石盗賊団のピンクパンサーを欧州大陸まで追いかけたモノだ。欧州の警察機構が手を焼く彼らになぜNHKが近づけるのか。米国に狙われたWIKILEAKのジュリアンアサンジ氏ともNHKは対面したが、どうやら彼らは「日本人を騙す事はあっても日本人に騙される事はない」との安心感を持っているのが窺われた。

「仁-JIN」以外にも、連休中は貧しい国で活躍する日本人医療関係者の姿が強調されていた。やはり日本人の根幹は善。そしてその象徴が皇室だろう。一方米国では善はなく、代わりに正義がはびこっている。善と正義。似ているようで逆。自分勝手な正義と自分を後回しにする善。当然この仕事(金融市場)は善は必須ではなく中途半端が一番儲からない。つまり、一般的な日本人には不向きなのが金融市場である。

ところで、最近ピンクパンサーと同じセルビア人の隣人がこの国で生きる知恵を改めて授けてくれた。先週末、庭の大木の枝を切り落とすためにHOME DEPOTからチェーンソーを借りた。レンタル料は40ドル。悪戦苦闘し、何とか枝を切り落とした筆者に彼が聞いてきた。「コレ(チェーンソー)はどうしたんだ?」「40ドルで(HOME DEPOT)で借りた」と答えると、彼は教えてくれた。「まあいいか。だが連中(セルビアの同胞にカーペンターが多い)はそんな事はしない。彼らは新品を買う、そして用が済んだら汚れを落とし、何食わぬ顔で返品する・・。これがコツだ・・」。

なるほど。数日ならレシートがあればHOMEDEPOT引き取るだろう。それが彼らのマニュアル。残念ながら思いつかなかった。「JIN-仁」を観て感動している自分の甘さを痛感した・・。






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