2011年5月25日水曜日

イチロー流ファインプレー

話題だった「TOO BIG TO FAIL」を観賞した。話が本当だとして重要な点を整理しておく。まず改めて2008年の金融危機の主役はリーマンでなくAIGだった事。そして英国と米国は金融危機に関して一枚岩からは程遠い関係だった事。そしてウォール街のトップは政権に救済を求めつつ、一方政権に全く敬意を払っていなかった事。(ここが日本とは違う)

映画ではバーナンケの出番は意外に少なく、ポールソンの独壇場、そこにガイトナーが絡む。まあ話題作だけに俳優の気合が入り、出来は良かった。そしてこのドラマが今一番参考になるのはこちらの金融市場関係者ではなく日本の管政権だろう。なぜなら、当時の衝撃は今の日本の震災に勝るとも劣らない。そこでもし管政権にアドバイスするなら、この金融危機でのAIG救済の道理を、震災後の東電と置き換えて政府は中央突破をはかるしかない。(恐らくそうなる)その過程でどうやって強引に結果まで持っていったか。そのお手本がこのドラマにはある。ただ観終わってふと思い出したたのは、昔イチローがどこかで言い放った言葉だ。

彼は言った、「普通の人には本当の超ファインプレーは判りません・・」ここでのファインプレーとは打球への反応ではないらしい。「次に何が起こるかの予想」。それによって守備位置を予め変えていると、丁度そこに打球が来てもプレー自体は平凡に写る。結局観客はそんな静かなファインプレーよりも派手なアクション、この映画に沿ってもっといえば、消防士が自分で火をつけ、自分で火消しの大立ちまわりを演じてヒーローにになるドラマに感動してしまうのである。

本来あの金融危機ではイチロー流のファインプレイが事前にあるべきだった。だが起こってしまったらどうするか。限られた時間の中で物事を決定するプロセスの参考がこのドラマにある。そしてAIGを救済するよりは東電を救済する方が道理にはかなう事を普通の日本人も知るべきである・・。




0 件のコメント: