2008年8月8日金曜日

オリンピックの正しい見方

表面的には世界はまだ平和で、WTOの破綻は暗雲だが、様々な金融取引上のルールは機能している。よって通貨の価値は経済指標や中央銀行の政策次第で左右されている。そんな中でこのところのドルの優位は米国内の理由というより、それ以外のグローバルスローダウンが原因である事は誰もが知っている。ではこのドル高がそのまま米国の国力優位性を証明するかどうか、経済指標や中央銀行を注視するのもいいが、せっかくなのでオリンピックのメダルで占ってみたい。

報道からは、オリンピックにはそれ程は入れ込んでいない標準的米国人も、静かに金メダルとメダル総数という「国威」には少なからず興味を持っている。ズバリ、彼等の関心は今回はメダル総数で米国が中国に負けるかどうかである。

そもそも近代オリンピックの歴史は1896年のアテネに始まるが、初期の頃は開催国と米国がメダルを競っていた。だが、ヒトラーによる国威向上政策が今回の北京に似ている36年のベルリンでドイツがメダル総数で優勝したのを最後に、戦後のメダル争いは米ソの冷戦をそのまま反映する時代になった。

そして冷戦終結後のバルセロナを境にその時代も終わった。96年 2000年 2004年の3大会は、米国がメダル総数でも優勝を重ねてきた。しかし前回のアテネでは、金メダル数では中国が米国との差を4まで肉薄し、今回は復活したロシアと共に米国を打ち倒す事を狙っている。

米国が勝てばまだまだドルの時代は続き、ドイツが頑張ってしまうとユーロへの流れが戻る。そしてロシアが勝てば、OILに代表される資源本位性がまだまだ大暴れする事を覚悟しなければならないだろう。ただ中国が勝てば個人的にはどうなる解らない。(強いて言えば環境破壊が進む?)ただ解らないという事はより混乱する時代になると考えている・・。

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