2010年6月9日水曜日

天罰の規模

現在BPは出漁できないルイジアナの漁師に一日当たり1200ドルの補償金を払っているらしいが、ロンドンのタブロイド紙であろうロンドンデイリーメールは、その漁師のコメントとして、本来この時期は出漁してもせいぜい月に1000ドル稼ぐのやっと、だから1200ドルの日銭はありがたい。との漁師の声を載せている。一方でワシントンポストは今日の主力記事で、BPが会社として長年安全面の努力を怠り、また数々の米国内の事故でも隠蔽体質が蔓延し、隠ぺいをしたスタッフが一番出世したという旧従業員のコメントを持ちいて全面的にBP批判を始めた。

鳩山前首相への工作に触れるまでもなく、WSJとNYTIMESと比べても退屈なこの新聞は最もワシントンの意向を語っている。そして今日の記事が語るのはワシントン、特にオバマはBPの追及に本気だという事。ただロンドンのタブロイド誌が反撃した様に、イギリスとて黙ってBPがボコボコにされるのを見過ごすとも思えない。そんな中で米国民の関心がいつのまにか金融機関の批判から景気の2番底のリスクに移った。次のテーマを探し始めた中間選挙との絡みが注目される。

そして証券会社の最新の見積もりではBPが背負う負担は4兆円になるという(経費+保証)。さすがにこの金額は払えない可能性もあり、BPは支払いを逃れる為に戦略的チャプター11(破産法の適用)の選択もありうるとの見方も浮上した。その後の身売り先の候補として既にエクソンやシェルの名前が挙がっている。だが商法の理論で彼らの責任が簡単に片づけられてはならない・・。


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