2010年12月8日水曜日

役者の心得

出勤間際、日本のニュースで市川海老蔵の記者会見が流れていた。思わず見入った。一言で言うとさすが歌舞伎俳優。真実はともかく、直立不動の体躯と乱れのない眼差しからの語り口。まるで歌舞伎の世界に引き込まれたかのような会見だった。

こなると真実などはどうでもよい。この感覚はその昔クリントンの贖罪記者会見をTVで見入った時に感じたモノと同じだ。そして別のニュースでは、海老蔵を殴ったとされる人物の怪我の治療をした医者の証言があった。そこからは一体誰が悪いのか判らない疑念が生まれた。

ところで「悪人」であるウイキリークのアサンテ氏は英国当局に自分から飛び込んだ。その行動は石田三成を思い起こさせる。三成は長年の怨念から自分に直情的な怒りを向けた福島正則等から逃れる為、本当の敵である家康の懐に自分から飛び込んだ。家康はその立場から彼らの喧嘩に加担する事が出来ず、三成を助けざるを得なかった。

英国も米国の同盟国、だが英国にはアサンテ氏を応援している人もいるだろう。ならばアサンテ氏は最後まで英国に助けてもらえる可能性はある。一方米国や日本のメディアは彼を弁護する事は出来ない。中国も別の意味でアサンテ氏の様なメデイアの使い手を応援する事はないだろう。

そして米国では善悪が演出力で決まるケースがこれまで以上に増えた。言い換えれば、実社会とハリウッド映画の境が判らなくなったという事である。ならば皆が役者の心得を体得しなければならない。










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