昨日のNYジャイアンツ対フィラデルフィアイーグルスの試合は衝撃的だった。レギュラーシーズンも終盤、地区優勝を争い8勝4敗で並んでいた都会の人気チームの激突は注目されたが、試合は第4Qの残り8分からイーグルスが21点差をひっくり返して劇的な幕切れとなった。
そして何よりも衝撃だったのはイーグルスのQBのマイケルビックスの動き。ジャイアンツからすれば彼の動きは規格違反だったろう。なぜなら彼の動きはアメフトのQBのポジションにバスケットボールのマイケルジョーダンが入っている様なモノだったからだ。
無論ビックスの動きはルール違反ではない。だがこの試合の彼の動きは、これまでのアメフトの試合で米国人がQBの動きとして許容してきたイメージを遥かに超えていた。言い換えると、アメフトにおける戦略が米国の組織論を代弁できるとするなら、QBがこの様な動きをすれば試合には勝つが戦略は成り立たない。つまり其処にあるのは戦略ではなく、マイケルビックスという並はずれた運動神経を持った黒人プロスポーツ選手のサーカスである。
何となくこれで判った。なぜ5年ほど前に彼が逮捕されたのか。彼はアトランタの黒人QBとして華々しくデビューしたものの、動物愛護法違反だった闘犬を趣味にしていた事が発覚逮捕された。そして入獄、その間にアトランタから解雇され、20億近い契約金を棒に振った。その後自己破産を経て再起を窺う彼を雇ったのはフィラデルフィアだった・・。
スーパールーキーから入獄、自己破産・・そこからの復活は真にアメリカンドリーム。ただアメフトという国家の基本カルチャーの常識を揺るがしかねない彼の活躍に一抹の不安を感じる・・。
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