2011年3月9日水曜日

暗黒帝国の復活(顧客レターから)

この後カダフィーはスピーチに及ぶが、今日の株高騰の背景は、カダフィーのステップダウンの話が、英仏二カ国による飛行禁止区域設定交渉に米国も加わった事で現実味を帯びたからだろう。だが時間内に予定されたカダフィーのスピーチはなかった。この事は米英仏で話がまとまらなかった可能性が残る。その場合サウジのデモの話を前に、明日は急落もある。(ステップダウンが発表されても、株は既にある程度織り込んでいる)・・。

ところで、今回の中東の動乱では常任理事国の中で中国は中立の様相。ではロシアの立場はどうか。言うまでもない。ロシアは態度にこそ出してしていないが、この混乱が長引けば長引くほど圧倒的な勝者なる。そもそもロシアでは年初財政の見通しが厳しく、2008年に立ち上げたソブリンファンドを国家の運転資金に回さなければならないと思われていた。ところが、このところのオイルの高騰で一気に増収となり、当該ソブリンファンドは枯渇どころか年末には4兆円に膨れ上がると見通しを変えてきた。そして気を良くしたプーチンは先日財務大臣と共同でテレビ会見を行い、国家経営を攻めに転じる発表までしたという・・。

この記事を伝えたニューヨークタイムスによれば、日本のような老人型人口動態のロシアでは、中東の様に若者のエネルギーが暴発する可能性は全くないらしい。それどころか、米国と覇権を競った70年までのソ連に郷愁を感じる中高年が多いということは、これから国家として一番まとまり安定するのは実はロシアではないか。ならば北方領土返還交渉などは永久に消えたと思った方がよく、また今回のオイル急騰がFEDの政策にも起因するなら、米国も取り返しのつかない失敗をしたかもしれない・・。




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