2011年3月26日土曜日

楽天的への褒美




添付したグラフを見てほしい。この欧州金融機関の試算によると、日本は2011年の第一四半期は年率換算でマイナス8.6%の成長となるが、翌期には7.8 %になり、第三第四四半期は、災害が無かったケースよりも大幅に上回るとの見方である。このグラフを出した金融機関は東京から真っ先に逃げ出した会社らしいが、そんな事はどうでもよいとしても、対岸から眺めるエコノミストが作成する外国の金融機関のリポートがいかに現実に直面する人間の尊厳を無視しているかを現わしていている。

ただ楽天的になると褒美がある時がある。そもそも暗い見通しよりは良いという考えもあるだろう。ただこんな机上の空論に意味が無いのは苦難に直面する日本人が一番知っている。一方で外国人は日本人の魂をどこまで考慮しているだろうか。ならば今は日本人の魂を見せる時。そんな中NHKの番組で、日産自動車の重役が「合理性だけで良いモノは作れない。日本が地震大国でも日産は海外に製造拠点を移す考えはと言い切った事には感激した。次の車を買う時は日産に決まった。

ところで、本日米国ではフォーブス誌から米国のベービーブーマーの平均的(予定)相続資産の額が発表された。一人当たり平均30万ドル(2500万円)。米国のベービーブーマーは日本の「団塊の世代」よりも範囲が広く、1945年から1965年生まれまでを言うが、この世代全体では8.7兆ドル(650兆円)になるという。

ではこの世代は米国の歴史ではどんな位置づけなのか。私見を言うと、レーガンによって新しい財布を授かり、クリントンによって資産を膨らまし、そしてブッシュには意見が分かれたが、一方で誰も住宅バブルに違和感を覚えなかった人々である。

つまり米国史の見地からは平和で平凡な世代。ハイテクで革新的技術がいくつか生まれが、米国の歴史に特別貢献した世代とはいえない。ではなぜこの世代に米国史でも稀に見る褒美があるのか。

もう一度中身をみると、戦後の米国の役割はカーター時代に行き詰り、「楽天的への変節」を掲げたレーガンによって米国は消費経済に生まれ変わった。すると家を持っただけで別の財布が生まれる構造が生まれ、消費をすればするほど国家のGDPは伸びた。

そしてそれを更に後押しする金融の仕組みがクリントン時代に完成、ドットコムバブルが終るとブッシュに大量のステロイドを打たれた。

当然ながら副作用で心筋梗塞を起こしたが、オバマによって株はだいぶ戻してもらった世代である。では彼らはこのままご褒美を貰えるのかどうか。未来に向けての米国史として興味深い・・

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